牛後ちょっと前

考え事をしています。ときどき読書メモ

いなくなりたい

※いつかの日記です

 

病院に行った。

定期的な受診だが、病気の都合上薬だけもらって終わりというわけにいかないようなので行かざるを得ない。面倒だなあ

 

系列のクリニックで近頃流行りの厄介な感染症の患者が出たらしく、それを警戒してか通路に沿って白いテントが張られていた。

この日は天気が悪かった。ビチャビチャと雪で濡れた路面と湿度が高くてぼんやりこもった空気が不快なテントの中に入ると、職員に「今日はどちらに受診されますか」と言われた。私が○○科です、と答えると、そのまままっすぐ進んで院内にどうぞと言われた。私の前にいた老人は薬のための定期的な受診のようで、テントの中に設置された小さなテーブルの前に進んだ。左に曲がりたかったらしい老人とぶつかりそうになる。まっすぐ進むか左に逸れるかどちらかにしてほしい、と思ったが、そもそも老人の身体能力と(決して運動が得意というわけではないが)私の身体能力には差がある。機敏な動きができる方がよく考えず行動したことの方が悪いのだ。

 

入り口にたどりついたが、マスクにフェイスガード姿のものものしい雰囲気の職員たちが待ち構えている。職員に促され、検温カメラに顔を近づけた。今日の私の顔の表面温度は35.7℃だそうだ。これ、表面温度なら意味ないんじゃない?といいたいのをむりやり綿飴のように口の中で溶かしながら、消毒用アルコールを手のひらと指先に擦り込んだ。何科ですか?○○科です、のやりとりをもう一度してからいよいよ病院の中に入る。確かに閑散としていた…と言いたいが、地域でも大きな病院なのでいつもよりはかなり少ないがそれなりにいる。近所の小さな個人医院にだと全員収まらないだろうな、という人数がエントランスにいた。

エントランスでの受付を済ませ、エレベーターで受診する科のある階に登る。この科は受診にあたって予約が必須で、時期によって患者数が変わるようなところではないのでいつでも人が多い。

今日も(流石に廊下まで人が溢れているようなことはなかったが)入り口にコート姿の患者が窮屈そうに何人か立っていた。科内受付のすぐ目の前に血圧計や体重計、問診書の記入スペースがあって、そこが混むのだ。待合室は案外空いていた。

受診票を提出し、体温を測りながら問診票を書く。問診票を提出してから間も無く名前が呼ばれた。今日は早いな。

 

診察室に入ると、白髪混じりの医師がラフに座っていた。

「今日は前回できなかった検査をしましょう」と言われ、検査室に案内される。私はこの検査が大の苦手で、あえて詳細は伏せるが、人間の尊厳に関わるようなそれである…と思う。、メリメリ、ゴギャー(これは私の悲鳴)という感じで検査が終わり、診察室に再び戻ると、医師は「以前より少しずつよくなっているので、このままお薬を続けましょう」と言った。よくなっているのならよいのだ。私の羞恥心など治療の前ではなんの意味もなさないティッシュペーパーでできた壁のようなものなのだ、と自分を慰めながら、次回の予約を済ませエントランスに戻った。

 

会計を待ちながらエントランスのベンチに座っている。このベンチに座っているのは誰も彼も病人かその付き添いかなのだが、キャアキャアはしゃぐ小さな子供や、枯れ木のように静かな老人に挟まって、私は病人のはずなのに酷く居心地が悪かった。

少し間を開けて隣に座る、自分の父親くらいの歳の男性のマスク越しの顔を想像しながら、なんだか人生が馬鹿馬鹿しくなっていた。

私はどこに行ってもうまくいかなくて、社会から隔絶されているような気がするのに、その一方で必死に体を治して社会に溶け込もうとしている。

早く死にたい。不健康でありたい。不道徳でありたい。

病院に来ながら不謹慎なことを考えていたら名前が呼ばれたので会計に向かう。三割負担。扶養家族。皆保険ありがとう。と頭の中で念仏でも唱えるように繰り返しながら、親から借りた金で診察費を支払った。

 

外に出ると再びテントだ。今度はお大事に、とだけ声をかけられて終わる。私は同じ敷地内に併設された薬局に向かうのだ。

薬局はいつもぎゅうぎゅうと狭苦しく、暖色と木目で彩られた開放的な店内は黒山の人だかりで本当にうんざりする。処方箋を出し、振り返るとどこにも座るところがない。仕方なく薬局の中ではなく風除室に置かれた椅子に座る。居場所がない。さっきの心理的な居心地の悪さとは別だ。あそこ、無理矢理席を詰めて座って仕舞えばよかったかな、椅子取りゲームは大嫌いだ。暴力のゲームだから。弱いものではなくて、誰かに優しくしようと思える人から負けていくのだ。横取りする誰かを見ながらそう思った。

しばらく待って名前が呼ばれた。前と同じお薬ですね、お変わりないですか?大丈夫です。ああそれこの前も同じ会話をしたな、なんで考えているうちに薬の説明も会計も終わった。

とにかくここを早く離れたかった。

 

自動ドアをすり抜けると陰鬱な天気はまだ続いていた。じっとりと重く肺を塞ぐ空気は、私をとって絡めて離さないようにしているようだった。

 

どこかに行きたいわけではない。早くここからいなくなりたい。

病院に向かう人とすれ違う。この人は椅子取りゲームは得意だろうか。自分の居場所を作るのが得意だろうか、と不毛な見定めをしながら、私は駅まで向かうことにした。

 

 

 

 

 

 

自分がほしい着せ替えゲームについて考えてみる

はじめに

「ミラクルニキ」みなさんまだやってますか?私はバリバリ(というほどでもないけど)やってます。いつの間にかシャイニングニキ(以下、シャイニング)が出てしまいましたね。

 

最近は一応3DCGのスマホ向け着せ替えゲーもあるそうなのですが、いまいちニキシリーズやテンセルほど噂を聞かないのです。(良い評価も悪い評価も)そんなに聞かないというのは、つまり話題になっていないということ…では?

 

さて、なぜニキの話をしたかというと、新しい着せ替えゲームがやりたい!という気持ちがこの数ヶ月ずーっとあって、森(「あつまれどうぶつの森」)をやっても解決しないどころかますます気持ちが強くなったので、自分がほしい着せ替えゲームについて考えて気を紛らわすことにしました。

 

概要

基本は「ガールズモード」シリーズ的な、3DCGのモデルにお洋服を着せるイメージです。

販売・配信方法

可能な限りCS(コンシュマー、この場合はスマホなどではない家庭用ゲーム機)、追加コンテンツは無料か定額売り切りで継続課金なし、というかガルモの5がやりたい。

シャイニングニキは「3Dのニキ」だったのでソシャゲとしてのあり方はミラクルニキとほぼ変わりないんですよね。個人的には「着せ替えゲーム」における凝ったストーリーやフルボイスそのものにはあまり魅力を感じないので、お洋服の表現に気合を入れて欲しいなぁと思います。

特徴
  • 体型の幅を広くする

容量や手間もあるでしょうが、着せ替えゲームは基本モデル(着るキャラクター)の体型が同じです。

「モデル体験」みたいなジャンルの着せ替えならまだしも、ガルモは「セレクトショップ店員になってお客様の要望に合わせた服を選ぼう!」というコンセプト、つまり「同じ体型の客が必ず来るとは限らない」はずのシチュエーションで、しかしみな同じ体型でした。

とりあえずその辺はなんとかしてほしい。せめて身長だけでも、と思います。

たとえば背の高いキャラには短くて好きじゃないと言われた服が、背の低いキャラにはちょうどいいねっていわれたり、ふっくらしたキャラがゆったり目の服を好んだりとか、そういう…そういうのです。実際モデルに反映されてなくてもいいので、設定で…はい。

 

  • カラバリ・柄違いは4色程度に留める

現実の服屋さんならさらに種類があるのでしょうが、そこはゲームなので、せめて3〜4種類までにしてほしい。タイツが10色あるのは「着せ替えで特定のキャラを再現するゲーム」としては助かるのですが、コーデにカラバリの意義が反映されないなら意味がないと思います(黒い服がテーマとか、パステルでコーデみたいなミッションがあるゲームは少ないような気がする)

まあこの辺りはユニバーサルカラー的な配慮もあるのかもしれませんが…

 

  • 重ね着にも対応

ラクルニキ、パフスリーブの上に真っ直ぐな袖の服着ると、下から袖がはみ出して見えるんですよ…。

ラクルニキの着せ替えシステムは1990年代後半生まれの女児のみなさんには見覚えがある、「透明なカードにポーズに合わせた服のイラストが印刷してあって、カードを重ねてコーディネートするカード(ようは、裸レイヤーの上に髪型レイヤー・トップスレイヤー・ボトムスレイヤー・アクセサリーレイヤーと積み重なっている)」と同じ仕組みです。ただ、アップデートで特殊ポーズが組み込まれたアイテムと肌色など全体に影響があるアイテムは両立できないようになりました。

私が望むのは3Dゲームなので、その辺をうまく対応してほしい。厚手の上着を着ると膨らんだ袖や裾はしぼんでしまわれる、ウエストが深めのボトムの時はトップスのin⇔outが選べるとか、服の種類が少なかったらいけるのかな。

ちなみにガルモ初代はパニエスカート(正確には「パニエ」は服の中に仕込む物なので、のちのシリーズでは表現が変わっていたはず)のように膨らんだスカートを着た後長いコートを上から着るとペチャンコになるので「スカートの膨らみに合わせて広がったコート」を用意する形で対応していましたが、後のシリーズでは膨らんだスカートでもそのままコートにしまわれていましたね。

 

  • 質感を再現する

あつ森をやって感動したの、なにがってモノの質感です。

革製品はちゃんとツヤツヤしてステッチまであって、ニットはちゃんとモコモコして編み目が見えるし、金属のテカテカとプラスチックのテカテカ、違うんですよ。

本家着せ替えゲームもこのくらい頑張ってくれ。ニコモのやつ全部同じ質感に見えたぞ。

 

実際こういうゲームはあるのか

スマホ向け、とくに低年齢向けのゲームを除けば今のところ「完全に」これを満たすゲームはありません。強いて言えばカスタムキャストやらVroid…という感じですが、あれは人型3Dモデルをお手軽にカスタムするためのソフトなのでそもそも着せ替え用ではありませんね。

「スタイリット」もDS〜3DSあたりにありそうなちょっと大人向けの3D着せ替えゲームという感じで(アプリがありえないほど重いことを除けば)よかったのですが、すでにサービス終了しています。

キャラクリが充実しているタイプのMMORPGなんかもありますが、あれらは衣装を着せ替えることを主題にしていないのでセンスが合わないとついていけないわけです。(TERAとかは装備の性能を移植して見た目そのまま強化できるシステムがありましたね。T濡れ透けセーラー+スク水とかアヒル浮き輪とか妙なアイテムが多かったような印象)

また(一応)最新のガルモ4も方向性がこれまでのシリーズと違うので、今のところちょっと…うーん…あつ森が一番希望に近いかな、という程度ですね、はい。

 

おわりに

シンソフィアははよガルモ最新作つくるんだよ!!!!プリチャンめちゃくちゃおもしろいよ!!!!!グラフィックがよいよ!!!!!あのグラでSwitchスマホ向けのまともな着せ替えゲームを作ってくれよ!!!!!!

 

わがままファッション ガールズモード

りあむの記事のはてブで喧嘩腰のコメントをしたあなたへ

夢見りあむが嫌いなオタクなんていない-夢見りあむは令和のニューヒロインたりうる存在か - 牛後ちょっと前

差分と称して±(最大値-最小値)を表記するの違和感しかない。普通平均値±(最大値-最小値)/2だよね/ちゃんみおがNGのリーダー設定なのはアニメだけ/オタクアイドルで江上椿(カメラ)がない/なげえよ!

2019/05/22 00:28


差分と称して±(最大値-最小値)を表記するの違和感しかない。普通平均値±(最大値-最小値)/2だよね/ちゃんみおがNGのリーダー設定なのはアニメだけ/オタクアイドルで江上椿(カメラ)がない/なげえよ! - tekitou-mangaのコメント / はてなブックマーク

 

返信機能がよくわからないので、半年も前のコメントに言うのもなんだけど一応させてください。

「喧嘩腰にコメントしてもまともな返信が返ってくると思うなよ」です。

 

以下やさしい返信です。よかったね。

・私はド文系(芸術系)論文も書いたことないので統計とかよくわかんないし、わかんないまま書いたことで発生した差分という表現に誤りがあったことは認めます。訂正しました。

・別に全てのシリーズでちゃんみおが「リーダー」とは書いてないです。ただ、リーダー的立ち位置であるように書かれていることが多いです、と言う意味でした。

・江上さんは一応書くか迷ってやめました。正確には「カメラ沼」か、「写真沼」か、「レンズ沼」かわからないので…。

・なげえよ/あんたもなげえよ

 

おわり。

YouTubeやってます

こんにちは。相変わらずニートです。

健康だと思って過ごしていましたが、そこそこに進んだ病気が発覚したので(これについてはそのうちブログに書きます)年末にバタバタしている次第です。

 

さて、タイトルの通り、春ごろYouTubeチャンネルを開設してチマチマ動画を上げています。

 

https://youtube.com/channel/UCDRUT3NGLhenFgWO3e-IcHw

 

「こんぽた製造部」という不気味なチャンネル名です。ドールカスタムとかして遊んでいます。まだ動画は少ないですが、なにせ無職で時間だけはあるので、じっくりやっていこうと思います。

ブログとは特に関係のない内容ですが、もしよければ一度動画をご覧になって、ついでにチャンネル登録とグッドボタンを押していただけると私が嬉しいです。よろしくお願いします。

 

おわり

しょうもないおしらせ

ねこ、無事(ほぼ)1歳になりました。よかったですね。

f:id:perokon:20190718153959j:image

これは母のベッドで野生を手放しているねこです。

 

それから、ブログ初めてすぐよくわからないまま入っていたグループ?を退会しました。多分本当にイラストが趣味の人のノイズになってたと思うので、早めに退会するべきだったと思いました。

はてな、未だに使い方よくわかってないので…。このブログ始めるまで基本読む専だったし、むかーしナノのブログのやつ(エムブロ?)ですこしブログごっこしてた以外は特にやってこなかったので、ブログもはてなも謎のまま2年目ですね。

 

あ、就職したって言ってたんですけど、色々あってすぐ辞めました。わたしには週6日フルタイムで働く体力ありませんでした。完全に自己都合です。

給料すごい安かったんですけど、内容的にも職場の雰囲気もいい感じでした。

でも8時間労働×6日をSwitch4台買えないくらいのお給料でやるのは正直辛かったです。一応大卒だからって若干色つけてもらってたみたいですが…。

いや、ほんと…これだから最低賃金日本ワースト県は…。

 

ちなみにまだ無職です。ア○メイトにバイトの面接申し込んだのにいつまで経っても連絡が来ません。許さんぞ。アニメイト(隠さないスタイル)

早く働け。むしろ仕事紹介してほしい。

 

ではまた。

 

おわり

 

煮たり焼いたり炒めたりを読んだ話

宮脇孝雄「煮たり焼いたり炒めたり」(早川書房)を読みました。

煮たり焼いたり炒めたり―真夜中のキッチンで (ハヤカワ文庫JA)

煮たり焼いたり炒めたり―真夜中のキッチンで (ハヤカワ文庫JA)

 

雑誌連載されていたコラムをまとめた「書斎の料理人」という単行本の増補改訂版で、文庫化に際して改題したものだそうです。

初版発行日を見ると1998年(私が購入したのは二刷目)、単行本の方は1991年初版発行となっているので、結構情報が古くなっているところもあるのですが、エッセイやコラムに多い時事問題などは取り上げていないのでそこまで気にならないと思います。

 

内容としては、翻訳家・評論家の作者が、日常の出来事や洋書にまつわるエピソードに絡めて、様々なレシピを紹介しているコラムです。

面白いのは洋書から翻訳・アレンジしたレシピを紹介しているところですね。

料理研究家でもある作者が、スーパーの食材に文句をつけたり、おおざっぱなレシピにツッコミを入れたり、電子レンジを褒めたりしながら、淡々と作り方と味についての感想を述べていく様子は、レシピ本というよりは日記に近くて楽しかったです。

改題前初版のあたりだと、(結婚している)男性が家庭で料理を作るのは、今より珍しいことだったようですが、実際のところどうだったのでしょう。

私の父は若い頃調理の専門学校に通っており、休日によくご飯を作ってくれていたので、家で料理をする男の人というのはそんなに違和感がないです。男女限らず料理が出来る人は素敵だと思います。

まあ、私は料理しないんですけど…。

 

他人の日記を読むの、ブログもツイッターも、楽しくて仕方ないんですよ。文字に出てくる人格と実際の会話に出てくる人格って違うので…。

コラムとかエッセイとか、大好きなのですが、コラムやエッセイは読者がいることを前提としているからか、なんとなく文章の中に「気取り」が入っていて、その気取り方が人によって違うのがまた面白いのです。

こちらも、よく海外書籍(翻訳されたもの)を読まれる方ならわかると思うのですが、レポートのような落ち着いた地の文、色々なところから引用される知識や慣用句、意外と乱暴な言い回し等々、「あれ?日本人の作者の本だったかな?」となってしまうような気取り方の本となっています。

海外ハードボイルド小説とか読むと村上春樹がいかに洋書が好きかわかるよね、というのを色々なところで聞くんですが昭和軽薄体 - Wikipediaみたいに英語小説翻訳体ってあるんでしょうか。

あるとしたらこの本は確実に該当しますね…。そもそも翻訳家の書いた本でした。

 

一つのセクションにつき一つの料理について取り上げているのですが、写真や挿絵は一切ないので、レシピ本としてはちょっと味気ないです。あくまで、作者の料理や生活の様子を、日記を覗き見するような感じで楽しむコラム集として読む本となっています。

文体がくどくないのでさらっと読めるし、一つ一つが短いので、ちょっとしたすきま時間にもおすすめです。レシピ本としては、掲載されているレシピでまだ作っていないのでなんともいえないのですが、一部分量や調理工程が簡単にしか載っていないものがあるので、どちらかといえば初心者以上向けだと思います。

帰り道の電車とかで読んだら、買い物して帰りたくなるかもしれない。

 

おわり