牛後ちょっと前

考え事をしています。ときどき読書メモ

ポモドリーノ

お題「最近知った言葉」

 

ナポリタンあんまり好きじゃないんだよね

 

友達に、もう5年以上スマホ(ずっとAndroid)を使っているのに打ち間違いの多い人がいます。

先日、LINEでやりとりしていたところ、彼女が発言した「ナポリタン」が「ナリタタン」「たポリタン」となっていて、なぜ?なぜそうなる?という奇妙な言葉が発生していました。

いや、そもそも彼女は打ち間違いもそうだけど言い間違いも多かったのです。

以前、精進料理(しょうじんりょうり)が出てこなくて、しんぜんりょうり!と言っていたのが一番印象的です。神前料理ということですね、間違ってないけど間違ってる…

そんな愉快な言葉の使い手ですが、とても真面目で親切な彼女と友達で、本当にありがたいです。

 

ところで、ナポリタンとはどういう意味なのでしょうか。

先述の会話では、私達はナポリタンスパゲティという意味でナポリタン…ナリタタンを使っていたのですが、パスタの本場イタリアにはナポリタンスパゲティなるものはないと聞いたことがあります。ナポリタンとは結局何を示すのか調べました。

 

 

ナポリタンってどこから来た言葉?

ナポリタンとは - コトバンク

デジタル大辞泉によれば、ナポリタン=ナポリ風のトマトソースを使ったスパゲティ、またはケチャップを使って味付けしたスパゲティとあります。

ナポリ南イタリアの都市ですね。サッカーチームが有名です。南イタリアなのでトマトの生産量もかなり多い。

トマトを使ったソースというと、日本で(本場の味を再現したガチガチの専門店に行かなくても)食べられるパスタソースは

あたりが思い浮かびます。あと、プッタネスカとかボンゴレロッソくらい…

ボロネーゼというと、かつて同級生の男子がボロネーゼのことをボロネーロと言っていたのを覚えています。あまり関係ないですが…

 

基本のトマトソースパスタを「ポモドリーノ」というそうで、ポモドリーノに特定の具を合わせると料理名(ソース名)が変化していくようです。ナポリタンを除くと、それぞれ挽肉、唐辛子、魚介類、アンチョビとオリーブとケッパー、アサリと合わせたソースとなっています。

日本だとこういうのに該当しそうなものがちょっと思いつかないのですが、炊いたご飯を塩で握って海苔で巻くのがおにぎり、酢を混ぜて握ったあと具を乗せるのがお寿司、お茶碗によそって具を乗せるのが丼ものみたいな感じでしょうか(多分違う)

しかし、上に挙げたどのパスタソースも、ナポリタンのように甘い味付けのものがないことに気がつき、「ナポリタンの由来となるようなソースはどれ?」というのが気になりました。

 

ナポリタンとナポレオン

調べると、どうもナポリでは17世紀ごろからトマトを煮詰めただけのトマトソースでパスタを食べる文化があったようで、それがフランスに伝わって「ナポリ風スパゲティ=スパゲッティ・ナポリテーヌ」と呼ばれるようになったようです。

話が逸れますが、フランスといえばナポレオン・ボナパルトが有名です。

このナポレオンはコルシカ島出身なのですが、彼の生まれた当時はコルシカ島ジェノバ共和国(イタリア統一前に存在した国)領からフランス領になったばかりでした。

ナポレオンはNapoléonと綴り、Napoliのleon=ナポリの獅子という意味です。

ナポレオンの出生名はナポレオーネ・ディ・ブオナパルテ…はい、超イタリア系ですね。Napoleoneと綴るのかな。

ナポリタンとナポレオンは、単に名前が似ているだけではなく、それとなく関係があるよ、という話でした。

ギブミースパゲティ

日本が洋食を食べるようになった明治ごろ、フランスからパスタが伝わり、戦争を挟んで今度はアメリカからアメリカナイズされたパスタが広まりました。

アメリカではパスタは安くて簡単な栄養食として食べられていて、軍事食糧として缶詰に入った甘いトマトソースのパスタが食べられていたのを、あるシェフが見て今食べられているナポリタンの原型を作ったとされています。

命名にあたりナポリのパスタが由来となっているとも、戦前に食べられていたフランス風ナポリタンがあるとも言われているようです。

このあと色々あって、雑誌や食品会社により「家庭で簡単に作れる、トマトケチャップをかけて炒めただけのスパゲティ」として一般家庭に広まったようです。

ぶっちゃけめっちゃ長いのでナポリタン - Wikipedia見た方が早いです。とてもわかりやすいです。

ざっくりまとめると

ナポリで食べられていたトマトソースパスタがフランスに伝わる→その後戦前の日本に洋食として伝わる→それとは別ルートでアメリカ風のトマトスパゲティが戦後の日本に伝わる→日本の一般家庭で食べやすいようケチャップをかけて炒めるだけのレシピが広まる

という感じ。

 

ケチャップの謎

そもそもケチャップって何ですか?

私は子供の頃からあまりケチャップが好きではないので、その存在について寄り添おうと思ったことがないのですが、世の中にはケチャップファンが多数いるようで、スーパーにはたくさんのケチャップが売られています。

ケチャップってどこから来たのか、トマト以外に何が入ってあんなに甘いのか調べてみました。

カゴメ株式会社|カゴメ株式会社

たまたま家にあったケチャップがカゴメだったので、カゴメ

  • ケチャップ
  • ピューレ
  • トマトソース

の原材料を比較します。

まずケチャップから

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カゴメトマトケチャップ500g

原材料:トマト、糖類(砂糖・ぶどう糖果糖液糖、ぶどう糖)、醸造酢、食塩、たまねぎ、香辛料

こうやってみると酢とか入って結構ソースっぽい感じですね。甘いなーと思っていたのは糖類もあるのかな。

 

次にピューレ

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カゴメトマトピューレー200g

原材料:トマト

まさかのオンリートマト。先述のナポリで食べられていたトマトソースはこれに近いかもしれないですね。

 

最後にトマトソース

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カゴメ基本のトマトソース295g

原材料:トマト、たまねぎ、大豆油、砂糖、にんにく、食塩、オリーブオイル、香辛料/塩化カルシウム、(一部に大豆を含む)

ここで油の概念が発生しました。玉ねぎやにんにくも入っているほか、塩分が多いので、すでに調理してあるものにかけるというよりは調理の際に味付けするために使うことを想定しているようです。

カゴメの商品に関しては、原材料からケチャップとトマトソースは、近いけど違う味付けの商品として完全にセクション分けされています。

ケチャップはトマトのソースだけど、トマトソース…ポモドリーノに使うソースが別にあるということでしょうか。

 

ところでケチャップの語源

ついでにケチャップの語源について調べました。

 

そもそもケチャップは台湾で使われているホーロー語で「鮭汁(ケーチァップ)」という魚醤を指す言葉から来ているようです。

イギリスやアメリカで「中国南部から東南アジアの塩漬けの魚介類を使った調味料」が「ケチャップ」と呼ばれるようになり、魚介類がキノコや野菜に変わり、アメリカでトマトを使ったものが開発されたそうです。塩を振ったトマトを、砂糖や他の野菜と煮込んだソースとしてトマトケチャップが作られるようになりました。

かの有名なハインツが瓶詰めしたものを販売し普及したことで、ケチャップといえば瓶に入ったトマトのソースとして生活に馴染んでいったようです。

たしかに先ほどのカゴメのケチャップも「トマトケチャップ」となっています。

 

例によって長いのでケチャップ - Wikipediaを読んだ方がいいです。Wikipediaすごい、本当になんでも載っている。

 

まとめ:ポモドリーノってかっこいいので今後色んなところで使っていこうと思います。

 

長々ととりとめのない文章でしたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。とりあえず私は早くトマトケチャップと和解してナポリタンを食べられるようになりたいと思います。