持たない幸福論 働きたくない、家族を作らない、お金に縛られない (幻冬舎文庫)
- 作者: pha
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2017/08/04
- メディア: 文庫
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phaさんの「持たない幸福論」を読みました。(文庫版)
もともと読もうと思ってずっと本屋さんで探していたのですが、今住んでいるところは徒歩圏内に本屋さんがなく、ふらふらしているうちに文庫版が出たのでAmazonでポチりました。(まだAmazonアフィリエイトやってないので安心してポチってください)
6月以降就活的な動きを一つもしないまま生活し、自己嫌悪が溜まって動けなくなっていたので、せめて本とか漫画とか読もう、自分でない人の話をたくさん見聞きしよう、と思っていたのですが研究がしんどくなってきて、この本を読むことができたのも8月に入ってからでした。
就活はまったくうまくいってません。というより動く体力も気力もないです。たまにキャリタスとかマイナビみてエントリーだけして、気が向いたらエントリーシートダウンロードしてみて、くらいです。
人間、自分よりうまくいってない(気がする)人を見ると「下には下がいる」と安心するものです。地元就職にこだわり決まらない同級生にほくそ笑む生活も3ヶ月目に突入しています。つらいです。性格の悪化が止まりません。むしろ、自分こんなに性格悪かったのか…と驚くばかり。
そういう時なので、よりなんというか、クワーーーーとなったのでした。いい本でした。
就活生(ほとんどさぼってはいるけど)的には、第1章の内容というか考え方は非常に安心しました。なんにもしていないというのはつらい状況で、なんにもしなくていいのとなにかしないといけないけどしていないのは、同じなんにもしていないでも全く違うのです。
私は中学1年から不登校で、3年の受験が近くなってようやく学校に顔を出すようになったので、社会経験がその2年と半年分ごっそり消滅しています。そもそも小学生のころから休みがちで、高校も単位が危なくない程度に欠席を繰り返していたので、なんにもしていない時間というのは、同年代の「普通に学校に通って社会とかかわっていた」人たちに比べてたくさんあり、そのぶんの劣等感が、就活で爆発してしまいました。だってみんな社会と関わってきたのに、どうして私は何もできないんだろう、人と会いたくないなあ。
「社会と自分の関係」という項で、そのあたりのもやもやした部分を、すこしすっきりさせることができたかと思います。人は人、自分は自分、でも、社会に所属したほうが生きていくのにつらくない、そういうことは自分で言っていても「でも違う」と思ってしまうのですが、他人というフィルターを通して言われると、すっと入ってくる気がします。
短い本で、文章も難しくないので、早い人なら1・2時間で読めると思います。そのあと友達に借りて読ませてもらった、森博嗣『「やりがいのある仕事」という幻想』がもちゃもちゃして読みにくい文章(森博嗣の文章は大概にして読みにくいのだけれど、この本は取り上げている内容的にも、上から目線でイライラさせられる感じがした)だったので、より「読みやすい本」の印象でした。読みにくいというのは、友達が「意味わかんねーよ!」とキレながら貸してくれたのもちょっとあります。
就活、今新しく受ける予定のところが信じがたいほど遠方なので、それだけでもうしんどいのですが、社会に出て居場所がないことだけは避けたいです。今のところ「働いてないけどいていい場所」が周囲になく、それを探すよりは労働を対価に「いていい場所」を見つけるのが、とりあえずの目標です。しばらくは、人に会わない生活をしながら、冷静になろうと思います。