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夢見りあむが嫌いなオタクなんていない-夢見りあむは令和のニューヒロインたりうる存在か

いつものブログとノリが違いますが、基本気持ち悪いオタクの長文です。エヴァグリッドマン(アニメ)のすごいネタバレが含まれます。

なんとか総選挙開示までに間に合わせようと思った

 

 

夢見りあむは令和のニューヒロインたりうる存在か

はじめに

  1. 年齢、名前、タイプから見るりあむ
  2. アイドルという存在の捉え方から見るりあむ
  3. サブカルチャーとしてのメンタルヘルスの発露
  4. 綾波系」から抜け出す二次元ヒロインたち
  5. これからの夢見りあむの発展と総括

 

はじめに

本稿においてはバンダイナムコ(旧ナムコ)開発のアイドル育成ゲームを原作とする「アイドルマスターシリーズ」をアイマス、派生シリーズである「アイドルマスターシンデレラガールズシリーズ」を「デレマス」、バンダイナムコ開発・Mobageで配信中のソーシャル育成カードゲーム「アイドルマスターシンデレラガールズ」を「Mobage版」、Cygames、バンダイナムコ開発・配信のソーシャルリズムゲームアイドルマスターシンデレラガールズスターライトステージ」を「デレステ」と表記する。また、これらに登場するアイドルを「シンデレラガールズ」と称し、その中には765プロおよび876プロ所属のアイドル(天海春香をはじめとする本家アイドルマスターが初出のアイドル)と韓国版登場のアイドルは含まない。登場アイドルとその情報は2019年4月時点のものに準拠し、必要に応じて都度参考となるサイトを紹介する。

夢見りあむはアイドルマスターシンデレラガールズ7周年記念企画において追加された7人のアイドルの1人である。Mobage版においては鳥取エリアでライバルアイドルとして登場し、その後同じくMobage版先行登場となった辻野あかり、砂塚あきらとともにネクストニューカマーとしてイベント限定ライバルユニットを結成し登場した。デレステでの登場は7人で最も遅いタイミングとなった。

f:id:perokon:20190501012541j:image夢見りあむ

夢見りあむはMobage版で登場した時点で、その容姿や言動、性格から多くのデレマスファン、さらにはTwitterやpixiv等でデレマスファン以外のインターネットユーザーの間で話題となった。

具体的には「これまでのアイマスにはいない新しいアイドル」として賛否両論ありながらも、彼女の特異性を評価するユーザーが現れたという経緯がある。

筆者はMobage版プレイヤーではなかったが、デレステプレイヤーであり、アニメ等メディアミックスのファンである。いちデレマスファンとしてはじめは単純に興味を持ち、夢見りあむがどのようなアイドルか調べるにつれ、彼女が今までのいわゆる「二次元美少女ヒロイン」の典型とは大きく異なる個性を持った存在であると感じ、より彼女についての理解を深めたいと考えた。同時に、彼女の特異なキャラクター性はアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」から連なる「綾波系」「アスカ系」ヒロインの系譜から一歩抜きん出たニューヒロイン像となりうる存在ではないかと考えた。

同時に、彼女の実装の少し前にインターネット上で話題となったアニメ「SSSS.GRIDMAN」のヒロイン、「新条アカネ」が「綾波系」の流れを汲みながらも「10年代における二次元ニューヒロイン像」の一つとして一部で取り上げられていたことを受け、夢見りあむは新条アカネ(平成世代末期における完成されたヒロイン像)に次ぐ二次元ニューヒロイン像を確立するような存在であるか、というのを今一度見極めたいと感じた。

本稿では夢見りあむの様々な側面について調査・考察し、彼女が令和時代におけるニューヒロインとなる存在であるか考察していく。

 

1.年齢、名前、タイプから見るりあむ

この項では夢見りあむの年齢、名前、タイプから、他のアイドルとの比較を通し、彼女がどのようなアイドルとしてデレマス世界に存在しているか、あるいはどのような存在に今後なっていくかについて考察する。

1-1.19歳の専門学生であるりあむについて

「はー、めっちゃやむ!外見だけはくっそ健康に見えるかもだけど心はガラスのギリ10代!学校辞めたい人生詰んでる!そんなぼくがりあむちゃんだよ!!アイドルになったらワンチャンあるかな!?な!?」(デレマス、特訓前アイドルコメント)

夢見りあむは19歳のアイドルである。また、学年や専攻は不明であるものの、上記含め様々なテキストやコミュで専門学校に在籍していることが語られており、アイドルになったあとも在籍していれば、唯一専門学生と兼業するアイドルとなる。(あくまで2019年4月時点で明言されているアイドルのみ。例として、太田優には、デレステにて通っている学校は不明だが学生である描写が存在する。21歳という年齢や趣味にトリミングと美容が挙げられていることから、トリマーの養成学校や美容系の専門学校に通っている可能性がある)

1-1-1.19歳組の就業・就学について

以下はアイドルマスターシンデレラガールズに登場するアイドルのうち、19歳のアイドル(以下、19歳組)の一覧である。

タイプ

アイドル(五十音順)

の順で表記する。このうち、スカウトまたはオーディション合格時点でもともと別の仕事に就いていたことが明言されているアイドルは名前の後ろに☆を、学生と兼業のアイドルは*を付けている。

 

キュート
有浦柑奈 ☆(ストリートミュージシャン)
江上椿
奥山沙織
黒埼ちとせ *(留年した高校生)
涼宮星花
宮本フレデリカ *(短大生、雑誌モデル経験あり)

クール
梅木音葉 ☆(スタジオミュージシャン、歌手)
岸部彩華 ☆(雑誌モデル経験あり)
桐野アヤ
小室千奈美 ☆(モデル)
鷺沢文香 *(大学生兼アルバイト)
瀬名詩織 ☆(詳細不明、「海の見える店」の店員)
新田美波 *(大学生)
藤居朋 ※(専門学校中退)

パッション
イヴ・サンタクロース ☆(サンタクロース)
小松伊吹 ☆(ダンスインストラクターのアルバイト)
西島櫂 ※
槙原志保 ☆(ファミレス店員)
夢見りあむ *(専門学生)

※1 藤居朋は「アイドルになるため専門学校を辞めた」と発言している。どのような学校、専攻だったかは不明。

※2 西島櫂については、「プロ」の水泳選手を目指していたという状況と年齢を考慮するに、実業団選手ではなく学生水泳部の可能性が高いが、詳細は分かっていない。

参考 アイドルマスターシンデレラガールズ%学年表とは [単語記事] - ニコニコ大百科

19歳組は学生と社会人が両方存在しており、アイドル以前に芸能経験があるアイドルも多数存在していることがわかる。これはほとんどが学生である18歳組や社会人の割合が多くなり始める20歳組とは少し傾向が異なる。

夢見りあむ(以下、りあむ)はデレステの特訓後コミュで専門学生であることに触れており、アイドルコメントやプロフィールセリフ、ホームタップ時のコメントなどで「行きたくない」「辞めたい」と発言していることから、アイドルとしてスカウトされた時点で退学しているわけではないことがわかる。

1-1-2.看護学生である可能性について

デレマスのコミュおよび特訓後ホームタップコメントにおいて「誰かに必要とされたかった」という専門学校入学の動機と、「着られなかった白衣」という発言をしている。特訓後の衣装がナース服風のものであることから、医療系(特に看護職)の専門学校に通っていたと考えられる。

f:id:perokon:20190501130908p:imageコミュでの発言f:id:perokon:20190501131000p:image特訓後衣装

また、ルームタップ時の「資格も免許もない」という発言から、仮に看護専門学校であった場合、過去に看護高等学校で准看護師免許を取得しているというわけではないことがうかがえる。デレマスでの登場エリアである鳥取鳥取看護専門学校をはじめ、一般的な看護専門学校は3年制となっている。(三年次修了時点で看護師国家試験の受験資格を得る)

看護専門学校や短期大学の看護師養成課程を2年間で卒業可能なのは、すでに准看護師の資格を取得している場合に限る。りあむの在籍先が看護専門学校であるならば、3年制の専門学校に在籍していると考えられる。いずれにせよ、りあむは現時点で無免許であり、元看護師(=有免許)である柳清良とは異なる。

1-1-3.学年について

入学および通学をやめた時期については不明である。19歳という年齢は、高校卒業後すぐ入学して1年目と進級して2年目、または1年間浪人・留年していた可能性もあり、りあむ本人は自分の学年について説明していない。

しかし、アイドルコメントにおいて「ギリ10代」と発言しており、スカウト時点で20歳の誕生日が近いので「ギリ(あと少しで20歳になる)10代」という表現を使っているとも考えられる。

りあむの誕生日は9月12日であるが、特訓前のイラストでは半袖のTシャツ(ワンピース)を着用している。特訓前のイラストがスカウト時点の服装であるとしたとき、半袖一枚で出歩くような時期は気温が上がり始める初夏から肌寒くなってくる秋分の時期、具体的には5月初めから9月半ば程度であると考えられ、9月12日の誕生日を迎えていない19歳のりあむが半袖一枚で出歩いていても問題がない。仮に現役で入学、進級したならば、スカウト時点で2年生になっていると解釈できる。

ただし、デレマスでスカウトされた場所がアイドルのライブ会場であり、外気温とあまり関係がない場所であることも考慮しなくてはならない。その場合、りあむの学年はまた前後することになる。

また、デレマスはプロフィール記載の年齢と誕生日が学年と合わないことが多い。例として、城ヶ崎莉嘉(7月30日生まれ)が中学一年生であるのに対し、橘ありす(7月31日生まれ)は小学6年生である。この2人を基準とすると、デレマスの世界観では7月31日に新年度が始まることになってしまう。この他にも学年と年齢が噛み合わない組み合わせのアイドルがおり、プロフィール記載の年齢がスカウト・オーディション合格時(プロダクション所属日を基準とした計算)の年齢なのか、ゲーム時(実年齢)なのか不明である。

1-1-4.19歳組での立ち位置

他の19歳組との会話は今のところ公式では確認されていない。また、そもそも他のアイドルとの会話がネクストニューカマーとして登場した辻野あかり、砂塚あきらとのユニットと、シンデレラガールズ劇場での本田未央との会話以外取り上げられておらず、彼女がシンデレラガールズ全体でどのような立ち位置かはまだわかっていない。

 

1-2.りあむという名前について

「夢見りあむ」という姓名のうち、「りあむ」については本名であることが明かされている。特訓後コミュで本人はこの名前について「レアな名前」「キラキラネーム」という感想を抱いており、そんな名前をつけた親についても「ヤババ」であるとしている。また、自分の性格が「ひねくれる」原因となったのは名前にもあるとしており、これらは発言の様子から、ネガティブな意味合いであることがうかがえる。

f:id:perokon:20190501012711p:imageコミュでの発言

1-2-1.苗字について

「夢見」が本名かは明らかになっていないが、到底現実的な苗字とは思えない。「夢」を使った苗字は「夢野」「夢咲」などが存在するが、いずれもかなりの少数世帯である。電話帳の世帯情報を利用して姓名の分布を確認できる姓名分布&ランキングにおいては「夢」「夢野」「夢咲」は数世帯確認できたものの、「夢見」は確認できなかった。

シンデレラガールズのうち、実在しない苗字のアイドルについては他に涼宮星花がおり、「涼宮」は「君が望む永遠」「涼宮ハルヒシリーズ」など、現在架空のキャラクターおよび筆名、芸名にのみ使われている幽霊苗字である。「夢見」も同様に現実には存在しない苗字であると考えられる。

デレマスの世界において「夢見」が実在する苗字かは触れられていないものの、デレステのウワサでは「夢を見たいらしい」と苗字にかけた表現がされている。また、本人も「りあむ」が本名であることは明言したものの「夢見」が本名であるとはしていない。名前の響きやウワサからうかがえる彼女の希望から、本名に合わせてつけたハンドルネームや芸名である可能性も十分にあり得る。

なお、アイドルマスターシリーズ全体で見ると「夢」が名前に含まれるアイドルとしては、ディアリースターズにて秋月涼のライバルとして登場する「桜井夢子(-さくらいゆめこ)」がいる。夢子はアイマスシリーズのアイドルとしては異質な「勝つためには手段を選ばず、他のアイドルを蹴落とす卑怯で汚いところがある」人物として描写されており、りあむの「炎上しても名前を売りたい」姿勢にやや重なるところがあるが、実際に影響があったかはわからない。

f:id:perokon:20190501012819j:imageシンデレラガールズでの夢子

1-2-2.夢眠ねむとの関連

「夢」に関連した苗字を持つ現実のアイドルとしては、2019年1月にグループ脱退、芸能界を引退した、でんぱ組.incの元メンバー「夢眠ねむ(-ゆめみ)」が知られている。「ゆめみ」という姓の読みの一致や、名前がどちらもひらがな表記で響きに類似性があること、いわゆる地下アイドル(地下劇場など小規模劇場で、観客との距離の近いライブパフォーマンスをメインに活動するアイドル)に近い存在であったでんぱ組.incと、地下のライブ会場でスカウトされたりあむ、共に活動にあたってオタクとしての個性をアピールしているという共通点もあり、「夢見りあむ」という名前を創作する際に「夢眠ねむ」の影響があったとしてもおかしくはない。

f:id:perokon:20190501012940j:image夢眠ねむ

1-2-3.名前がひらがな・カタカナ表記のアイドルとの関連

りあむの他にもシンデレラガールズには名前がひらがな表記のアイドルが複数人存在する。また、カタカナ表記のアイドルもおり、いずれもりあむ同様本名であると推測される。

以下、名前がひらがな表記およびカタカナ表記のアイドルの一覧である。なお、登録名がフルネームでないアイドル、宮本フレデリカ以外の海外出身アイドルは除外する。

タイプ

アイドル(五十音順)

の順番で表記し、名前の後ろには年齢を示す数字を付けている。

 

キュート

大沼くるみ 14

大原みちる 14

栗原   ネネ  15

黒埼ちとせ 19

佐久間まゆ 16

白菊ほたる 13

辻野あかり 15

兵頭   レナ  27

前川   みく  15

水本ゆかり 15

三村かな子 17 ※1

宮本フレデリカ 19 ※2

村松さくら 15

桃井あずさ 15

遊佐こずえ 11

クール

氏家むつみ 13

桐野   アヤ  19

桐生つかさ 18

砂塚あきら 15

高峯   のあ  24

橘    ありす 12

東郷   あい  23

八神マキノ 18

パッション

赤城みりあ 11

野々宮そら 15

浜口あやめ 15

真鍋いつき 22

諸星きらり 17

夢見りあむ 19

※1 三村かな子は現時点で唯一「ひらがな」+「漢字」で構成された名前のアイドルである。今回はひらがなグループとした。

※2 宮本フレデリカは海外出身または海外にルーツを持つアイドルのうち、現時点で唯一「日本的な苗字」+「海外的な名前」を持つアイドルである。今回はカタカナグループとした。

1-2-4.タイプごと、年齢ごとの分布

一覧から、キュートタイプにひらがな表記のアイドルが多数存在することがわかる。カタカナ表記のアイドルはパッションタイプには存在しない。年齢は10代に集中しており、30代のアイドルはひらがな・カタカナともいない。パッションタイプ、19歳のりあむは、ひらがな・カタカナ表記アイドルの中では珍しくない存在と言える。また、7周年記念追加アイドルで、Mobage版初出組は全員名前がひらがなで表記されている。

1-2-5.キラキラネームとの関連

りあむの発言から、デレマスの世界にはキラキラネーム(一般常識からかけ離れた珍しい名前)という概念が存在することになる。何をもってキラキラネームとするかは時代や環境の違いに加え、個人的な解釈もあるため定義が難しい。

ここでは、極端な当て字や侮辱的、反社会的な意味を持つ単語、個人の特定が難しい名前(親子・兄弟など同一戸籍で同じ字を使った名前は日本の法律上付けることはできない。例として「正子(まさこ)」という名前の母と「正子(せいこ)」という名前の娘の親子は、出生時に戸籍から除籍となっている場合や、養子縁組により後から同一戸籍となった場合以外存在しない)などはキラキラネームに含まれるものとする。

例えば、シンデレラガールズだと「星輝子(-ほししょうこ)」がキラキラネームに該当する可能性がある。彼女の名前に使われている「輝」に「しょう」という読み方はなく、これまで有名人や歴史上の人物でそのような読み方が使われた例はない。この他にも、擬態語を由来とする「諸星きらり(-もろぼし)」、漢字の意味が特殊である「鷹富士茄子(-たかふじかこ、茄子はナスとも読む)」、男性的な響きを持つ「藤原肇(-ふじわらはじめ)」「佐藤心(-さとうしん)」、派手な当て字「赤西瑛里華(-あかにしえりか)」、日本人の名前として浸透していない海外風の名前「橘ありす(-たちばな)」「高峯のあ(-たかみね)」「赤城みりあ(-あかぎ)」などは、人によってはキラキラネームと受け止められる可能性がある。

りあむという名前の由来は現在のところ描写されていない。元歌手の押尾学と女優の矢田亜希子の間の子供はリアムという名前であるが、リアムはイギリスのロックバンド「oasis」のボーカル「リアム・ギャラガー」のように、一般的には男性名である。(英語圏の男性名Williamの短縮形としてLiamが用いられている)先述の押尾・矢田元夫妻の子供も男の子である。りあむは響きこそ柔らかく女性的なように感じられるが、女性名としては違和感のある名前であると言える。

キラキラネームは日常生活においてからかいやいじめの対象となる可能性や、判別・特定の難しさ、最近ではメディアでキラキラネームとして取り上げられることで、キラキラネームの当事者が悪い先入観を持って受け止められる可能性もある。りあむが自分の名前を悪い意味で「キラキラネーム」と表現しているのは、こういった悪影響から自分の名前を否定的に受け止めているように考えられる。

 

1-3.パッションタイプにおけるりあむ

7周年記念企画による追加アイドルのうち、Mobage版が初出の3人は、各タイプごと1人ずつ割り当てられている。これはデレステが初出のアイドル4人(黒埼ちとせ、白雪千夜、久川凪、久川颯)が2人ずつのペアであったのに対し、3人はそれぞれ独立した状態で登場したという状況にもよる。(デレステ初出組はユニットを組んだ状態でプレイ可能であったのに対し、Mobage版初出組はプレイヤー側の利用できる環境ではユニットとして登場していない。ネクストニューカマーは新登場アイドルのアピールとして使われるライバルユニット限定のユニット名である)りあむはパッションタイプが割り当てられている。

1-3-1.パッションタイプの外見的傾向

パッションタイプは黒髪や茶髪の多い他タイプのアイドルに比べ、髪色や髪型が特徴的なアイドルが多数存在する。また、身長・体重・年齢など、幅広い層を形成するデレマスの中でも非常に個性豊かなメンバーが揃っている。

以下は黒(一部グレーを含む)、こげ茶、茶(一部オレンジ、ベージュを含む)以外の髪色のアイドルの一覧である。評価についてはカードやイラストによって印象が異なるためプロフィールイラストを見た筆者の主観によるが、判断が難しいアイドルについては補足説明を入れている。

タイプ

アイドル(五十音順)

の順番で表記し、名前の後ろには大体の色名を入れている。

 

キュート

安西  都 赤

井上 雪菜 赤または赤茶

クラリス 淡い金

輿水 幸子 淡紫に近いグレー

西園寺琴歌 淡いピンク

櫻井 桃華 金

黒埼ちとせ 鮮やかな金

藤井 里奈 ※金髪だが、剃り込みが入っており、地毛は黒系と考えられる

双葉  杏 淡いピンク系の金

宮本フレデリカ 明るい金

遊佐 こずえ ごく淡い金

横山 千佳 淡いベージュ

 

クール

浅利 七海 鮮やかな青

アナスタシア 淡い銀

梅木 音葉 金

桐生つかさ 明るいピンク系の金

佐城 雪美 ※暗い青だが黒髪のような表現

塩見 周子 白に近い金(ブリーチしている)

白坂 小梅 淡い金

高垣  楓 ※アッシュグレー、緑に近い表現

高峯 のあ ※青みの強いグレー

二宮 飛鳥 ピンクに近いオレンジ、エクステ

久川  颯 淡い銀、アナスタシアより白に近い

望月  聖 鮮やかな金 

八神マキノ ※紫だがグレーに見える

結城  晴 ※明るい茶またはオレンジ

ライラ 淡い金

 

パッション

相葉 夕美 ※黄色みの強いベージュ

イヴ・サンタクロース 白

大槻  唯 黄色または金

キャシー・グラハム ※明るいオレンジまたは茶

小松 伊吹 ※淡いオレンジまたは薄茶

財前 時子 赤茶

佐藤 心 淡いベージュ

城ヶ崎美嘉 ピンク

城ヶ崎莉嘉 明るい金または黄色

仙崎 恵磨 白に近い金、周子より黄色みが強い

浜口愛結奈 かなりピンクが強いオレンジ 

久川  凪 颯と同じ淡い銀

星  輝子 ※淡いグレー

村上  巴 暗い赤

メアリー・コクラン 鮮やかな金

夢見りあむ ピンクとインナーカラーに水色

龍崎  薫 ※オレンジまたは明るい茶

若林 智香 赤みの強いオレンジ

※で補足説明が入った(黒、こげ茶、茶に含まれる可能性がある色)髪色のアイドルを除いても、パッションタイプは様々な髪色のアイドルが存在することがわかる。特にりあむはエクステを付けている二宮飛鳥を除けば現状唯一ツートンカラーの髪色のアイドルとなり、個性的なパッションタイプの中でも特徴的な外見であると言える。

各タイプの身長、体重についても、パッションは特に幅広い傾向にある。年齢も同様である。

以下はアイドル登場時点でのタイプごとの最高/最低身長および体重を一覧にしたものである。アイドル名は同率タイの場合もあるため表記しない。

タイプ

最高/最低身長(差分) 平均

最高/最低体重(差分) 平均

の順番で表記する。ただし、体重が不明のアイドルは平均値の計算からは除外する。小数点1位以下は切り捨てる。

キュート

167/127(±40㎝) 153.3㎝

55/28(±27㎏) 41.8kg

クール

172/137(±35㎝) 158.7㎝

55/30(±25㎏) 43.6㎏

パッション

182/128(±54㎝) 156.2㎝

60/29(±31㎏) 42.8kg

※パッションにはシンデレラガールズで最も高身長・高体重のきらりがいるため、差分については他のタイプと比べて結果に大きな差が出てしまう。このため、パッションタイプにおける次点の身長体重のアイドルで計算した場合、以下の通りとなる。

172/128(±42㎝) 155.7㎝

58/29(±29㎏) 42.5㎏

次点での計算であっても、身長体重とも最も差分が多く出たのがパッションタイプである。反対に最も差分が少ないのはクールタイプであった。

平均値を算出するにあたり、クールタイプが全体的に高身長傾向にある(最低身長がキュートおよびパッションの最低身長に対し10㎝近く差がある。また、身長170㎝のアイドルが4人おり、キュートは170㎝以上のアイドルはおらず、パッションはきらり含め3人である)ことや、キュートタイプが全体的に低身長低体重傾向にあることがわかった。

パッションの数値については、現在190名のアイドルが実装されている中、パッションタイプは他のタイプに対し人数が少ない(キュート・クールは65人、パッションは60人)上に体重不明のアイドルが存在するため母数に差がある。今後アイドルが追加になった、またはプロフィールに修正が入った場合はこの数値も増減するといえる。

りあむの身長体重は149/不明(りんごいっぱい)で、身長については3タイプ全体で見ても小柄なグループに属し、19歳組の中でも一番背が低い。デレマスではU149として身長が149㎝以下のアイドルを総称するグループが存在するが、メンバーの多くが小学生または中学生であることを踏まえると、りあむは顔立ちや年齢から受ける印象より小柄なアイドルであることがわかる。

1-3-2.パッションの性格傾向

パッションは「passion=情熱」の通り、他のタイプに比べると明るく、前向きで、元気のいいイメージのアイドルで構成されていることがわかる。例えば、パッションタイプの顔といえるアイドル本田未央は、デレマス全体の顔でもあるニュージェネレーションズの中でも、リーダーということもありハイテンションで場の盛り上げ役として振舞っている様子が様々なコミュ、アニメからわかる。

手前味噌だが、本ブログの「本田未央はいいぞという話」という記事では、未央というアイドルの立ち位置や性格傾向について、星井美希との比較を通し(記事執筆時点で受けた)印象について述べた。

(前略)これに対し未央は「繊細さ」が明るく前向きな部分に対し同じくらいの質量で描写されています。そして、「友情」は未央を象徴する大事なワードです。彼女は辺りを照らすサーチライトでありながら、それが翳ったときに自然と光が集まる、そんな存在です。誰かを引っ張っていく強い力、誰かから引っ張られる柔軟さが彼女の特徴です。(記事より抜粋)

これは未央がニュージェネ、ポジティブパッション(本田未央高森藍子日野茜のユニット)で、友人として親しくしながらも、対等なライバルとして各アイドルに接している姿勢に注目し、同時にパッションタイプの特性でもある明るさについて、どのように描写されていたか、個人的な感想を述べたものである。

パッションタイプの性格的特徴とはどのようなものか。ポジパメンバーを例に定義づける必要がある。

以下はポジパメンバーのデレステにおけるプロフィールセリフである。

本田未央

本田未央、15歳っ!明るい笑顔は誰にも負けないのと、いつでも元気いっぱいなところがポイントでーすっ!えへへ、これからトップアイドル目指して、頑張りまーっす!」

高森藍子

「アイドルになるにあたって…そうですね、みなさんが優しい気持ちになれて、微笑んでくれるようなアイドルになれたらいいなぁって思っています。こんな抱負でも、大丈夫ですか?」

日野茜

「今日からこちらでお世話になります!日野茜です!アイドルのことはよくわかり)ません!ですが、一緒ならトップを狙えます!千里の道も一歩から!さぁ、行きましょう!」

未央、藍子のプロフィールから「笑顔」というワードが共通して出ている。この「笑顔」というのはポジティブタイプにおける最大の特徴となっており、他のタイプ(特にクール)は無表情やいわゆる「キメ顔」で写っているアイドルも多い中、パッションは笑顔の程度に差はあれど、笑顔で写っているアイドルが非常に多い。ポジパの3人は全員笑顔で写っており、これはクールタイプの顔となっているトライアドプリムス(渋谷凛神谷奈緒北条加蓮)のプロフィール画像がいずれも不機嫌に見えるほどキツい表情であることと対比している。

また、未央、茜のプロフィールは「!」が多用されており、実際に音声が再生されていなくても元気の良さ、勢いの良さが語気の強さという形で表現されている。特に茜は「声が大きい」という描写がされており、声優(赤﨑千夏)の演技ではかなり力強く明るい口調で話している。

しかし、ポジパにおいて「パッションらしからぬ」キャラクター性を持つアイドルが藍子である。彼女はシリーズ開始当初流行していた「森ガール」「ゆるふわ」といったスタイルに影響を受けていることが容姿やソロ曲からうかがえ、言動からも他2人のアイドルの印象とは少々異なる印象を受ける。いわゆる「大きな声の元気がよさそうなキャラクター性」のパッションの典型とは違うキャラクター性だ。

ここでパッションのもう一つの特徴である「強い個性」という部分に注目したい。1.3.1で述べたが、パッションは容姿が特徴的なアイドルが多数在籍している。また、経歴や趣味も、他のタイプのアイドルとは違う形でのアプローチがされている。

例えば、城ヶ崎美嘉・莉嘉姉妹は「ギャル」として描写されているが、他のタイプには「ギャル風のファッション、言動」はいても「ギャルファッションを嗜好し言動もギャル的にくだけた若者言葉を多用している」、「自分からギャルであるとアピールしている」アイドルはあまりいない。また、2人の髪色が異なるため、他のタイプには少ない染髪の可能性を表現されているアイドルでもある。

また、向井拓海は「元暴走族」、片桐早苗は「元警察官(公務員)」、相馬夏美は「元客室乗務員」など、特殊な経歴の持ち主が多数在籍している。村上巴に至っては、明らかに反社会的勢力との繋がりを想起させる描写されており、sideMにおける「理由あってアイドル」ではないが、パッションは特に様々な経歴や趣味を持つアイドルが在籍している。

藍子も「散歩とトイカメラでの写真撮影が趣味」という描写は、ソロ曲の主題として生かされている。この「趣味」を生かしたソロ曲は他のタイプのアイドルにはあまり見られない傾向である。(例として、同タイプの相葉夕美は花、星輝子はキノコ、と言った趣味をソロ曲の主題として取り入れている)

【デレステ】楽曲一覧 - Gamerch

ここで、りあむのプロフィールセリフについて確認してみる。

「ばばーん!りあむちゃんの登場だよ!いやお前誰だよみたいな視線はザコメンタルにキツいからやめよ?これからアイドルになってワンチャンつかむんで、許してほしい!」

ハイテンションでくだけた口調はパッション的といえる。また、他のアイドルに比べ「逃げ」の姿勢が強く描写されているのも特徴的である。

りあむについては、容姿の個性ももちろんであるが、現代のインターネット、アイドルオタクの「負」の面を含めた人物描写や、一見明るく個性をアピールしつつも抱いた不安の大きさを感じさせる言動などは、ポジティブの「個性の強さ」という側面に非常に強く合致したキャラクター性を持っているといえる。

 

2.アイドルという存在の捉え方から見るりあむ

りあむはこれまでデレマスには少なかった「アイドルオタク」のアイドルである。彼女のアイドル観やオタクとしての姿勢から、りあむの持つアイドル性について考察する。

2-1.オタクキャラのアイドル

実在するアイドルにも、自身の「オタク属性」を活動にあたって強くアピールしている人物は多い。例えば、グラビアアイドルとしてデビューし、現在も歌手・タレントとして活動する「中川翔子」は、漫画好き、ゲーム好きの「オタク女子」であることを活動の初期から公言し、アピールポイントとして利用している。この他、「風男塾(中野風女シスターズの男装ユニットとして開始、現在は元グループが活動休止のため事実上新名義となっている)」、「でんぱ組.inc」など、メンバーが「オタク」であることを売りにしたアイドルグループや、元AKB48渡辺麻友コミックマーケットに参加し、BL同人誌を購入したことを公言したり、同グループの元メンバー指原莉乃がデビュー以前から「モーニング娘。」などハロプロ系アイドルの熱烈なファンであったことを公言したりと、もはやアイドルにとって「オタクである」ということは一種のステータスとして各人の個性を強調する働きを担っている。

2.1.1デレマスにおけるオタクアイドルたち

デレマスにおいても「オタク」のアイドルは何人か存在する。多くはサブカルチャーであるが、中にはいわゆる「オタク趣味」と言ってもあまりイメージの湧かないような、ファッションや食品などの追求を行なっているアイドルもいる。

本稿における「オタク」とは、一つのジャンルにおいて非常に熱心に関心を持って知識を取り入れ、収集し、時には自身で発信する活動を長期的に行い、他と趣味を共有し楽しんでいる人物と定義する。膨大な知識と収集、そして他との共有という意味で、オタクは単なる趣味の極め方ではなくソーシャルにおけるキャラクター性の位置付けとして機能しており、狭義の「オタク」趣味として呼ばれるサブカルチャーに限らず、趣味に取り組む精神性そのものであるという定義のもと、進めていきたい。

以下は公式に発表された作品内でオタク的に趣味を楽しんでいると描写されたアイドルの一覧である。

タイプ

アイドル(五十音順)

の順番で表記し、名前の後ろには趣味の方向性について表記している。

 

キュート

安部菜々 アニメ、声優。元メイド

池袋秋葉 ロボット制作

井村雪菜 メイク用品全般

大西由里子 アニメ、漫画。腐女子であることを公言

椎名法子 ドーナツ

長富蓮実 70・80年代アイドル、アイドル歌謡

丹羽仁美 ゲーム、歴史(前田慶次)

原田美世 車

双葉杏 ゲーム、アニメ、漫画など

クール

浅利七海 魚介類

荒木比奈 漫画(執筆)

上条春菜 メガネ

神谷奈緒 アニメ(ライトファン)

白坂小梅 ホラー映画

砂塚あきら ゲーム(FPS、実況)、ファッション

多田李衣菜 ロック(にわか)

橘ありす ゲーム、小説

大和亜季 ミリタリー

パッション

相葉夕美

佐藤心 洋裁、芸能

沢田麻理菜 サーフィン

南条光 特撮ヒーロー

浜口あやめ 忍者、時代劇

久川凪 インターネット掲示板

姫川友紀 野球(キャッツ=ジャイアンツファン)

星輝子 キノコ

三好紗南 ゲーム全般

向井拓海 バイク

諸星きらり 洋裁、ハンドメイド

夢見りあむ アイドル

※一部アイドルは「オタク」と公言しているが、ほとんどのアイドルはオタクであると自身を定義していない。

狭義の「オタク趣味」に近いのは、ゲームや漫画、アニメといったサブカルチャーである、例えば、安部菜々は「声優アイドルになりたい」という明確な目標を掲げて活動しており、元々はメイド喫茶で働きながらインディーズで芸能活動をしていたという「アキバ系アイドル」らしい経歴がある。また、大西由里子、荒木比奈は「コミックマーケット」に相当するイベントに参加していることが描写されており、砂塚あきらや久川凪のように現代において欠かせないインターネット文化と密接に関わる属性を持つアイドルもいる。丹羽仁美については、ゲーム内に登場したキャラクターとしての前田慶次に憧れているという二重構造の趣味を持っており、双葉杏や橘ありすのように近似するジャンルにまたがって趣味を楽しむアイドルもいる。

2-1-2.アイドルに憧れるアイドル

りあむのアイドル趣味もまた、対象となるアイドルがいわゆる地下アイドルである以上、一般芸能とは異なるサブカルチャーに含まれる趣味であると言える。同様のアイドル趣味をもつアイドルとして長冨蓮実がいるが、彼女も「現代のポップスではなく、レトロといってもいい時代のアイドルに憧れている」という意味ではサブカルチャーに属する。

デレステの一コマにおいて、島村卯月や月宮雅の母(=母親世代)と話が合う、という描写がされており、彼女自身も理想のアイドル像を「トイレにも行かないような」存在であると定義している。この「トイレに行かない」については、司会者・芸人のタモリが「女優の吉永小百合はトイレに行かない(=汚い行為とは無縁の清らかさを持っている)」と発言したことが有名であるが、シンデレラガールズは直接トイレについて描写されていなくとも、汗をかいたりヨダレをこぼしたり、少なくとも蓮実の理想とするアイドル像とはやや異なる一面を見せるアイドルが多い。特に、大沼くるみは「汗や涙、ヨダレなど分泌物が多いアイドル」として、これまでにないアプローチがとられている。

追記:辻野あかりはメモリアル1にて「トイレに行きたいので着ぐるみを脱ぐのを手伝ってほしい」という形でプロデューサーとの出会いを果たしている。また、久川凪もメモリアル1で「トイレの場所が分からない」と発言している。

2-1-3.モーニング娘。アイマス

初期アイマスは、同じく初期の「モーニング娘。」からの影響が受けて取れる。(実際に制作スタッフにモーニング娘。のファンがいたことが現在になっても語られている。初期の黒や金のフィットした衣装や、ダンスを重要視したパフォーマンスはもちろん、厳しいオーディションや地道な営業を通じてトップアイドルとしてのし上がっていく過程を「プロデューサー」としてともに歩んでいくというストーリーは、オーディション番組「asayan」の企画において「落選組」であったメンバーを、ひとりのプロデューサーが日本のトップアイドルユニットへと成長させるという現実での歩みに類似するものがある。

モーニング娘。は現実でも様々なアイドル、またアイドル以外の芸能人にも、芸能界を志すきっかけとして大きな影響を与えた。先述の指原莉乃のほか、同グループのメンバー柏木由紀もデビュー前からのモーニング娘。ファン(元メンバーの石川梨華のファン)であり、AKB48加入前にはモーニング娘。のオーディションに参加したという経歴を持っている。このモー娘。およびハロプロ系オーディションについては、多くの歌手、女優、アイドルなどの芸能人がデビュー前に参加したことを公表している。

モーニング娘。は結成の経緯もあり、オーディションからデビュー、デビュー後の活動まで、努力やアイドルたちの(精神的)成長といった「頑張り」の部分に注目したプロモーションを行なっているのが特徴である。多くのアイドルが10代のうちにデビューし、未熟な状態から活動を重ねて完成されていくサクセスストーリーの構築と、ファンも活動を通じて「家族」のような目線で変化や成長を見守る、という活動モデルは、その後も多くのアイドルグループの運営方針に引き継がれている。

デレマス世界においても、非常に地道な営業(ドラマの端役や地方のショッピングモールでのライブなど)から徐々にソロ曲の発表、大きな会場でのライブ、メインでのテレビ出演などへステップアップしていく。先日の総選挙中間発表で、りあむは初登場ながら総合3位という結果になったが、もし彼女がこのまま高順位をキープし、CVの追加やソロ曲の発表以上に大きな扱いを受けた場合、それこそ「アイドルと二人三脚のサクセスストーリー」であるはずのアイマスシリーズの理念とかけ離れているとファンは判断するだろう。

(2013年の総選挙ではアナスタシアが登場から一年足らずで2位獲得、上位5名でのCDデビューを果たしたが、そもそもアイドル総数が現在よりも少なく、上位10位にパッションタイプがいないという意味で今回とは状況が大きく異なることを留意するべきである)

 

2-2.アイドルの定義

「アイドル」と一口に言っても、その言葉には様々な意味が含まれる。以下に挙げられるものが一般的に広く使われている。

アイドル(idol)
1 偶像。
2 崇拝される人や物。
3 あこがれの的。熱狂的なファンをもつ人。「アイドル歌手」 (デジタル大辞林)

この偶像、崇拝という部分では、ある意味宗教的な側面を持っていると言える(もともとファンという言葉もfanatic=狂信的から来た言葉である)が、デレマス世界におけるアイドルはあくまで現実のアイドルの扱いに近い、その存在の持つ魅力によって大衆の憧れとなる芸能人、という位置付けがされている。

2-2-1.りあむの定義するアイドル

りあむは「アイドルはメンタルに効く」「尊みを感じる(尊い、愛しさと感動をもたらす存在に対する敬意を持った示し方)」と表現し、アイドルを文字通り「崇拝」に近い見方で応援していることがうかがえる。

また、「顔がいい(=可愛らしい、美しい、整っているという意味で使用)アイドルが好き」であることについて度々言及しているほか、スカウト時のコミュでも「物販(グッズの販売、販売ブースで直接アイドルが手売りするようなグループもある)とかに力を入れるようなアイドルは好きになれない」と発言しており、彼女の理想とするアイドル像はライブなどのパフォーマンスを重視しているような存在であると推測できる。これは、デレマスにおけるアイドルたちが場の大小を問わずライブパフォーマンスを重視し、いわゆる物販やファンミ(ファンミーティング、アイドルとファンの直接の交流会)を行なっていない様子があることからも、デレマス全体におけるアイドルの理想がりあむの理想に近い存在であることがわかる。

アイドルとはあくまで芸能人である以上、1:1でファンに向き合うことは(物理的に)不可能である。つまり、ファンからすれば1人だけのアイドルであっても、アイドルからすれば基本的には複数いるファンのうちの1人に過ぎないということになる。スカウト時のコミュでも「ガチ恋(=本気で芸能人に恋してしまうこと)」というワードが出てくるが、これはファンとしてアイドルとの距離感を見誤っている行為である。まして、ファンとの距離が近い地下アイドルや新人は「ガチ恋」をプロモーションとして利用してしまう可能性がある。りあむにとって「ガチ恋」をアイドル本人が促すような売り方には不満があることが推測される。

偶像を崇拝すること=みんなでアイドルを応援することがりあむの理想のオタク活動であるならば、りあむが「物販とかに力を入れるアイドル」を推せないとしているのは、ファンにアイドルとの距離感を見誤らせるようなアイドルに対する嫌悪感の現れではないだろうか。

 

3.サブカルチャーとしてのメンタルヘルスの発露

「メンヘラ」という言葉はもはや現代語として一般化したといえる。メンヘラとはもともと2ちゃんねる(現5ch)の「メンタルヘルス板」の利用者=精神疾患や障害を抱える人、またはその傾向にある人を「メンヘル」「メンヘラー(mental health+ror」と称したことから、徐々に「心を病んだ人、病みそうな人」という意味に拡張され、2ちゃんねる以外でも利用されるようになった。

りあむ本人は「メンヘラ」ではないが、自身のメンタルヘルスに関わる発言はほかのアイドルに比べてもかなり多い。本項では、サブカルチャーにおける「メンヘラ」の取り扱いについて、りあむを含めて考察する。なお、筆者は医療の専門家ではなく現時点で特定の医療機関を受診している患者でもない。具体的な病名や症状については誤解を防ぐため極力言及を避け、一般語化した「メンヘラ」を外から観測するという形に留める。

3-1.病みかわいいの流行

「病みかわいい」というファッションや装飾、デザインにおけるインターネット上での流行ジャンルがある。江崎びす子の「メンヘラチャン」というキャラクター群はリストカットやカプセル剤(抗うつ剤と表現されている)出血、注射、「鬱」「病」「殺」などのネガティブなワードなどをモチーフとしながら、パステルカラーやポップなキャラクターデザインで「病み」をテーマとしつつ「かわいい」を両立した存在となっている。

3-1-1.病みかわいいの定義

この病みかわいいはもともと「ゆめかわいい」という、パステルカラーや柔らかい色のグラデーション、羽や小動物、お菓子や星といった可愛らしいモチーフを繊細で軽やかなタッチで表現した「ファンシー」の流れを汲むデザインジャンルを指す言葉をもじったものであった。例えば、キャラクタービジネスにおいて日本で最も有名と言えるサンリオが展開するサンリオキャラクター群においては「リトルツインスターズ」「シナモロール」などが「ゆめかわいい」に近い世界観でグッズやメディアミックスがなされている。

一方で病みかわいいはファンシーの流れを汲みながらも、先述のメンヘラチャンにあるような「苦痛」や「ネガティブな感情」といった、メンヘラに寄った存在であるといえる。

例えば、サンリオキャラクターたちは(公式の展開において)リストカットをしたり、出血や身体的欠損を伴う怪我をすることはない。ただ、たんこぶができたり絆創膏を貼っていたり、いわゆる漫画的表現としての怪我をしていることはある。サンリオ同様にキャラクタービジネスを展開するサンエックスのキャラクター群もそういった傾向は見られない。

また、一時的に「辛い」「悲しい」を表現することがあっても、キャラクターシリーズ全体で精神状態が常に悪いキャラクターはいない。これはメンヘラチャンシリーズで、メンヘラちゃんサブカルちゃん、ゆめカワちゃんの3人が常にリストカットを想起させる左手の包帯が巻かれた状態で描かれ、薬品をモチーフとしたキャラクターうさたんや時にはイラストそのものに自傷行為やそれに伴う流血、大量の薬品、残虐な描写が含まれているのと対比している。

f:id:perokon:20190508133237p:imageメンヘラちゃんのキービジュアル。左から、ゆめカワちゃん、うさたん、メンヘラちゃん、ねこたん、サブカルちゃん

また、メンヘラチャンはじめ病みかわいいの世界観には「メンヘラ」を自虐的な形で受け入れることで、ネガティブな感情をやさしく表現しようとする意図が感じられる。「病みかわいい」は「病気」以前に「かわいい」のジャンルであり、少女(ゆめかわいい、病みかわいいの世界観は、10代から20代の女性をメインの対象に展開されていることがほとんどである)が自身の少女趣味的な部分と、苦しい精神状態の間で揺れ動く中で表現された「かわいい」こそ「病みかわいい」である。

これは、イギリス出身のグラフィックデザイナートレヴァー・ブラウンのイラストが、アダルトコンテンツとしてのロリータ趣味ではなく、ファッションにおけるゴシック・ロリータの愛好家にも広く受け入れられている現状にも通じる。少女(場合によっては幼女)が時に傷つき、時に苦しむ姿を描写しつつも、幻想的な表現とシニカルな視点でもって、子供と大人の間に立つ少女を描く彼の作品は、現代における「病みかわいい」世界観の構築に大きく影響しているといえる。

f:id:perokon:20190508134530j:imageトレヴァー・ブラウン「surrender」2012年

かわいらしい色の戦車に乗っている、猫の着ぐるみを着た少女が描かれている

サンリオそのものが日本における「ファンシー」の根底を支える存在である以上、サンリオによって表現されるファンシーの派生ジャンル「ゆめかわいい」、「病みかわいい」を無視することはできない。

しかし、サンリオは「病みかわいい」に相当する概念を現在まで表現せずにいる。これは、「メンヘラ」の派生ジャンルでもある病みかわいいが「苦痛」や「ネガティブな感情」を内包すると同時に、「自虐」や「冷笑的視点」など、サンリオファンシーの「癒しや救い」「幻想性」や「人間の内部にある小さな世界の構築」とは異なる世界観を持っているからではないかと考えた。

とはいえ、日本における「ファンシー」は「メルヘン」や「ガーリー」「ファンタジー」「ポップ」など様々な側面から構成された複雑なニュアンスを持つジャンルである。今後「病みかわいい」を前面に押し出したサンリオキャラクターが誕生しないとも限らない。

3-1-2.ヤンデレと病みかわいい

りあむの特訓前衣装(私服)は、ビビットなピンクと水色の髪に白を基調としたTシャツワンピースとであるが、Tシャツの模様がスケルトン(胴体の骨格が淡い色彩で描かれている)であったり、カプセル剤モチーフのピアスをつけていることなどから、「病みかわいい」の世界観に近いファッションであることがわかる。本人も「やむ」と自分の精神が落ち込んだ時、ショックを受けた時に発言している。この「やむ」は深刻な精神疾患の「病む」というよりは、軽いニュアンスでの発言であると考えられる。

いわゆる萌え属性のジャンルとして「ヤンデレ」という概念がある。先述の「病みかわいい」も「ヤンデレ的な恋愛へのアプローチ」が表現に含まれることがある。シンデレラガールズでは(特に初期の)佐久間まゆが「ヤンデレ的な要素を持つ」アイドルとして描写されている。

f:id:perokon:20190508221203p:imageメモリアル1でのまゆ

f:id:perokon:20190508221139j:imageウワサでのまゆ

ヤンデレは「相手を好意的に想うあまり"病んでしまった"状態」を指す言葉であるが、まゆ自身にメンタルヘルスが不安定な様子は見られない。ただし、ほぼ全てのカードやイラストにおいて左手首が隠れている=リストカットを想起させることや、度々瞳のハイライトが消えていたり、極端な行動に出たりといった部分から、プレイヤー側には「ヤンデレ的」と受け取られる。

ヤンデレはあくまで「デレ=相手への好意」の発露の形であり、まゆの行動もプロデューサー(≒プレイヤー)への好意が本人の一途な性格により激しい形で表されたものである。

ヤンデレ的な好意の発露については、女優戸川純がボーカルとして参加したヤプーズ肉屋のようになどが詳しい。「肉屋のように」では、「好きすぎて食べてしまいたい」という思いが抑えきれなくなり「美味しいわ」という言葉通り実際に食べてしまったという歌詞が綴られている。極端な例ではあるが、ヤンデレは単に心の中で(病んでしまうほど)相手を想うことだけではなく行動を伴うことで観測されるようになるといえる。

りあむは現状プロデューサーのことを「後がない状態の自分を助けてくれるかもしれない味方」として捉えつつ、まゆのように「恋愛対象」としてプロデューサーを意識している様子は見られない。よって、いわゆる「病み」の部分は共通しつつ、りあむ本人はヤンデレではないと考えられる。

3-2.雑魚メンタルはほんとうに雑魚か

りあむは様々な場面で「雑魚(ザコ)メンタル」「豆腐メンタル」と自分の精神性について表現している。ザコメンタルについてはデレマスのカードにおける特技ともなっている。文字通り打たれ弱い、へこたれやすいという意味で使用されているが、りあむ本人は少なくともアイドルになってからはそれほど雑魚メンタルな人物ではないような印象を受ける。

例としてアイドルコメントやコミュで「人生詰んでる」「アイドルしかない」という発言が度々出てくる。これは相当に追い詰められている状況だと彼女自身が感じている上での発言であるといえる。しかしながら、後がない状況であるとはいえ、少なくとも辞めたり投げ出したりはしておらず、ホームタップコメントなどで聞けるが、レッスンについても「やりたくない」とはしつつも「やらない」と直接断言していない。1-1で述べた「辞めたい」としつつも専門学校を退学していない状況は「踏ん切りがつかないから」とも受け取れるが、シンデレラガールズ劇場では「アイドルに人生逆転を賭けている」と発言している。これは彼女にとってアイドル活動が「やるしかない」存在であることを示している。

特訓後コミュでザコメンタルとなった理由について、家族の影響があったことが示されている。

「両親は仕事で海外だし、お姉ちゃんも渡米して画家とかいって!それでまともに生きてくのとかムリムリの無じゃない?そんな環境で育ったりあむちゃんは、お姉ちゃんにも親にも勝てないし!マウント取られまくりなの!夢も希望もないんだよ!そりゃザコメンタルにもなるよ!」

おそらく両親は仕事ができる優秀な人物であり、姉も能力の高さと行動力を兼ね備えた人物なのだろう。「マウント取られまくり」というのが実際にどれほどのものかは言及されていないが、りあむは度々「常に上に居続ける家族」のプレッシャーや自分に求められる能力のギャップについて思い悩んだことが推測される。

りあむは発言の中に自虐や自分への不安が多分に含まれている。この自信のなさは(本人の発言をそのまま信用するなら)家族の影響が大きい。1-2-3で述べた通り「キラキラネーム」だったことで周囲から悪い印象で見られる経験があった可能性もある。いずれにせよりあむは自分の能力を過小評価し、他人からの評価をまっすぐに受け止められない状況でスカウト・デビューしたがゆえに「ザコメンタル」と自分の打たれ弱さや自信のなさを表現していると考えられる。これはアイドルになってから、特に特訓後は多少改善されたように見受けられる。

「チヤホヤされた……されてしまった……でも!!もっともっとチヤホヤチヤホヤされたい…… もっとたくさんの人から、チヤホヤされたいんだぼくは!!」(特訓後ルームタップコメント)

「(前略)アイドルは使い捨ての嗜好品だよね!ぼくも分かるオタクだから!けどPサマは推し変しないで、ずっとずっとりあむを推してほしい!」(特訓後コミュ)

自分の「認められたい」欲求に素直に向き合い、アイドルとしてやって行く覚悟を決めた彼女は、もはやザコメンタルとはいえないのではないか。

 

4.「綾波系」から抜け出す二次元ヒロインたち

アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」のヒロインの1人「綾波レイ」は、その後のアニメ・漫画・ゲームキャラクター造形に大きく大きく影響を与えた。「綾波系」の解説は精神科医兼作家の斎藤環戦闘美少女の精神分析 (ちくま文庫)」に詳しいが、「戦闘など辛い状況とは無縁そうなか弱い少女が健気に戦場で生きる」戦闘美少女というジャンルにおいて、綾波レイという少女は欠かすことのできない存在である。

f:id:perokon:20190501012443p:image綾波レイ

アイドルマスターはメディアミックス作品である「ゼノグラシア」を除けば直接戦闘を表現することはない。しかし、デレマスにおいて一部アイドルに「元警察官」「反社会的組織らしい存在の関係者」「元不良、暴走族」など戦闘を想起させるような経歴が示されたほか、sideMではこれに加え「友人が殉職した経験を持つ元自衛官」が登場したことにより戦争の存在する世界観であることが明示されている。

本項では「戦闘」の部分を除き、「可憐な儚い美少女像の造形」における綾波の影響、影響下で生まれた様々なキャラクター、特に「SSSS.GRIDMAN」の新条アカネについて紹介するとともに、りあむが新しい「りあむ系」とも呼べる立ち位置を確立しうる存在か考察する。

4-1.「綾波系」の定義

綾波系」は文字通り「綾波に似た特徴を持つキャラクター群の総称」であるが、具体的にどのような特徴を持っているのだろうか。容姿、言動、性格でもって定義する。

4-1-1.綾波系の外見的特徴

綾波系の内には「機動戦艦ナデシコ」のホシノ・ルリや「ギャラクシーエンジェル」のヴァニラ・H、「涼宮ハルヒシリーズ」の長門有希らが含まれる。ルリについては綾波の登場から一年後に登場したキャラクターであり、(エヴァアニメ放送が1995年10月開始、ナデシコは96年10月開始)主人公ミスマル・ユリカのキャラクター造形に対し、明らかに綾波の影響を感じさせる。

綾波の外見的特徴をいくつか挙げると、

・淡い水色の髪

・シャギーの入ったショートヘア

・白い(生気のない)肌

・細身の体型

・鮮やかな赤い目

・無表情、または覇気のない表情

などが挙げられる。

髪色、目の色についてはあくまでデザイン上「わかりやすさ」を重視した配色であることがスタッフによって語られている。

目を赤くしたのは庵野さん。庵野さんが、確かにそれで行こうと言ったんだけど。…(中略)…(プロデューサーに)なんか特徴が足りないって言われて。髪の毛の色と目の色は、やっぱりアニメっぽくしてくれと。見た瞬間にキャラクターがわかる色にしてくれと。…(中略)…それで髪の毛の青だけは、前の企画の『ウル』の主人公が一人だけ青なんですよ。それだけ持ってきて、女の子、全てのキャラクターは黒なんだけど、女の子だけ髪の毛を青にしたいと。それでやったらなんか、庵野さんが「赤い目にしない?」とか言い始めて。「えーっ、赤い目?」それで塗ってみたら、あっ、かっこいいって。— 貞本義行、『スキゾ・エヴァンゲリオン

これは作品内において他のキャラクターとの差別化という意味で機能している。例えば、作中では綾波と「渚カヲル」を除いた全てのキャラクターの髪色が黒、茶、金など現実的な色彩で表現され、瞳の色も(外国にルーツを持つキャラクターを除けば)黒や茶、グレーなどの日本人的な色彩で表現されている。もともとは単なるキャラクターデザインにおける特徴づけかもしれないが、綾波とカヲルについては「純粋な人間とは異なる存在」として位置付ける上で重要な役割を果たしている。また、この2人の外見的な類似は、2人の生い立ちの共通点を示すとともに、主人公「碇シンジ」との関わり方の共通点を感じさせるように配色したと受け取れる。

「淡い色彩のショートヘア」「鮮やかな眼の色」「色白の肌」「細身の体型」といった特徴はその後の「ポスト綾波」的なキャラクター=綾波系の特徴として多くのキャラクターに引き継がれている。

ルリも「淡い色彩の髪」「色白の肌」「細身の体型」といった外見上の特徴を持ち、後述の性格や言動も含めて「綾波系」の典型とも呼べるキャラクターとなっている。

f:id:perokon:20190501132500j:imageホシノ・ルリ(劇場版での姿)

4-1-2.綾波系の内面的特徴

綾波エヴァ登場キャラクターの中でも寡黙でクールな人物として描かれている。これは、もう1人のヒロインである「惣流・アスカ・ラングレー(新劇場版から式波・アスカ・ラングレーに改名)」が口数が多く、ハイテンションなキャラクターであることと対比になっている。

アスカとの対比としては、活発な印象を与えるショートヘアがおとなしいキャラに、女性的で大人しそうな印象のロングヘアが元気の良いキャラに割り振られているのも特徴的である。綾波以降、複数ヒロインの存在する作品において「おとなしい方」のキャラがショートヘアというパターンはその後も「涼宮ハルヒシリーズ」の「長門有希」や「ゼロの使い魔」の「タバサ」など、綾波系とされるキャラクターに継承された。 

長門は3人のメインヒロイン(涼宮ハルヒ朝比奈みくる)の中で一番髪が短い。タバサはメインヒロインのルイズが桃色のロングヘアなのに対し、水色のショートヘアである。

また、作中では常に無表情かそれに近い表情で描かれている。口数の少なさもあってややぶっきらぼうな印象を受け、他人との関わりに対し、避けているわけではないがそれほど関心を抱いていない様子が見受けられる。

しかし、綾波本人はシンジの父「ゲンドウ」には心を開き、その後もシンジとの交流で様々な表情を見せ、アスカに罵倒された際も、初めは受け流していたものを後々に(あくまで控えめに)反論するようになり、人間臭さとも呼べる精神的な成長を見せるようになる。これは、神秘的なキャラクターがその神秘性を失っていく過程ともとれるが、綾波においては「世界やストーリーの根幹に関わる重大な秘密を持つ」キャラクターであることは変わらないまま物語が進行していくこととなる。

ストーリーの中で綾波は途中で「代替わり」し、その後は人間的な成長がリセットされ、元の冷淡で孤独な人格に戻ってしまう。しかし、その前までの過程を見た視聴者やシンジたちからすれば、綾波の元の性格が「人間的な経験値の低さ」に由来するものであることが理解できるようになっている。故に最終話の感情豊かで他人とも積極的に関わりを求めるようになった「リナレイ」の存在感が際立つこととなる。(テレビアニメ版最終話にて、補完世界の可能性として描かれた物語に登場する綾波。由来は声優を務めた林原めぐみが演じた「スレイヤーズ」の「リナ・インバース」に演技や性格が類似していたことから)

綾波は物語中でシンジはじめ様々な人物との交流を通して、他人との関わりの中に自己を見出し、愛情深く優しい性格を見せるようになる。 孤立した人物が心を開き、周囲との関係を良い意味で構築していくというストーリーは、エヴァにおいてはそのままシンジのストーリーとしても機能しているが、エヴァのストーリー全体の主題からはやや逸れる。(エヴァにおいて他との融合と決別はストーリーでの大きなテーマとなっている)

綾波系は寡黙でおとなしく、場合によっては冷たく人間性に欠けるように感じられるキャラクターが多い。ルリなどはその能力や出自の特殊性もあって、その傾向が顕著である。しかし、多くの作品で(主人公やその他のキャラクターとの交流を通じて)豊かな表情や人間的な温かみを獲得する過程が描かれている。それは、長門のような「非人間(もともとは個人の人格を持たないはずの存在)」キャラクターにおいても同様である。

4-2.「新」綾波系としての新条アカネ

2018年10月に放送がスタートした「SSSS.GRIDMAN」のヒロインの1人、「新条アカネ」は、外見やストーリー上の立ち位置(世界の根幹に関わる重要な秘密を持つ存在)から、「綾波系」とも呼べるキャラクターの新しい方向性として視聴者に受け止められることとなった。

4-2-1.新条アカネの特徴

アカネの「淡い色のショートヘア」「赤い目」「細身の体型(ただし、胸は大きめに描かれている)」といった外見上の特徴のほか、「世界を構築する能力(綾波は世界の構築者の魂を持つ)」「他人との距離感」といった役割や内面的な部分が綾波系(に近い)とされる理由である。

外見については、もう1人のヒロイン「宝多六花」や、他の登場人物との対比でも彼女の異質さが理解できる。

登場人物の多くは黒髪や茶髪といった現実的な色彩であり、瞳の色は(ストーリー上の表現でもあるが)青系統で固められている。また、六花はセミロングの黒髪に下半身が太めの体型をしており、カーディガンの袖をまくり短めの靴下を履いて大きく肌を出しているが、アカネは反対に手が隠れる長袖のパーカーを着用し、タイツを履いて素肌を隠すようなファッションをしている。

f:id:perokon:20190501011821p:image新条アカネf:id:perokon:20190501011811p:image宝多六花

このアカネの外見は、物語の舞台となるCWにおける「アバター」的なものであることが最終話で明かされるが、一方で最終話で描写されるアカネの現実での姿は六花に似た、セミロングの黒髪に白いカーディガンという装いである。

物語中盤、世界の「神」に等しい存在であることが明かされたアカネが、最終話に至るまで六花に対し「自分の理解者であること」「最後に頼れる存在」としての役割を求めていたことで、自分によく似せたアイコンを親友として定義したのではないかと推測される。

4-2-2.「コミュ障」のアカネ

新条アカネは、少なくとも表面上はクラスの人気者で周囲から好かれている様子であった。しかし、実際は気に入らない行動をしたクラスメイトや教師などを排除しようと怪獣を生み出して攻撃し、破壊行動を阻止しようと対抗したグリッドマン陣営(主人公側の陣営)にも攻撃を加えていた。

アカネ本人は一見すると綾波系の特徴である「表情に乏しく、口数も少ない」という部分には当てはまらない。笑みを浮かべる場面も多く、怒りや憎しみといった感情を露わにすることもある。メインキャラクターであることからセリフ数自体も多く、クラスメイトらと会話をするなど周囲と完全に孤立した様子は見られない。

テレビアニメ4話では、動画配信を行なっているクラスメイトの誘いで大学生動画配信グループとカラオケに行くストーリーが描かれた。

前半のアカネの行動は、さほど乗り気でなかった六花に(グリッドマンの情報を引き出したいという狙いはあったものの)「行くよね?」と声をかけ、六花と一緒にバスでカラオケ店まで移動し、カラオケ店でグリッドマンの情報を引き出そうとした途端に、大学生たちに邪魔されてしまい、一旦跳ね除けたあともしつこく絡まれ(ボディタッチを含む)、更にはSNSのアイコン(ウルトラマンティガに登場するレギュラン星人、またはウルトラマンダイナに登場するヅウォーカ将軍がモデルとされている)を茶化されたことで逆上し、帰宅する、という流れである。

カラオケ店から帰宅したアカネの行動は視聴者や六花からは明らかに「怒り」を感じさせるものであったが、アカネはアイコンについて「わかんないっす」とごまかし、帰宅の際も「門限だから帰らなきゃ〜」と苦笑しながら部屋を出て行く。エレベーター内で無意味にボタンを連打し、「最悪…」と漏らすなど、内心かなり苛立っている様子がうかがえるが、少なくともアカネは表面上「普通」に振舞うことのできるキャラクターであることがわかる。感情をその場で発散させず、平常心を装うことができる、という時点で彼女のコミュニケーション能力そのものはそれほど低いようには感じられない。

後半においてアカネはこの大学生たちを(怪獣の力を使って)殺害していく。最後の1人を六花が助けたことで計画は失敗に終わるが、アカネは六花に対し「危ないよ〜」と六花に聞こえないながらに心配しており、あくまで絶対に大学生を(六花を巻き込んでまで)殺害しようとはしていない。

彼女は別の話でも気に入らない行動をとった人間を殺害しようと怪獣を生み出して戦わせている。(実際には殺害に至らないこともある)「ムカついたから殺す」という彼女の行動は一見幼稚で、狂気的とも取れるが、これは本作の舞台が「シムシティ」や「ポピュラス」のようにアカネが構築した世界であることから、4話時点での彼女自身の意識は「人間を殺している」というよりは「自身の予測と異なる気に入らない行動をとったNPCを削除した」というところにある可能性が高い。

また、大学生側の行動も「六花との会話を間に入って邪魔した」「アカネのパーソナルスペースを考慮せず無理やりコミュニケーションを取ろうとした」「アイコンに対して相手の思い入れも考えず茶化した」という意味では、あまり褒められたものではない。特に、本人にその気がないのに無理矢理体を触られた(肩に手を回された)という部分については、身体的侵害を受けたという意味で非常に強い嫌悪感を持ったことが推測される。アカネは自分から他人に触る場面こそ存在するが、他人から触られることを好意的に受け止めている場面は非常に少ない。

アカネは終盤(10〜12話)でも他人から向けられる感情に戸惑い、また、自分も他人への関わり方に苦悩した様子が描写されている。また、物語の端々で周囲から一歩引いたような態度や、家の中での傍若無人な振る舞いなど、周囲の認識する「誰からも愛される完全無欠の人気者」新条アカネとはかけ離れた一面を見せている。アカネはあくまで「設定」としてこのような人物像を定義し、実際にはコミュニケーションについて屈折した思考を持っていたことが最終話のセリフでもわかる。

最終話で六花から定期入れをプレゼントされたアカネは、「どっか行っちゃえってこと?」と泣きそうな声で話す。実際、彼女が物語世界から去らなければ問題は解決しないという状況であったため、アカネがそのように感じたもおかしくはない。

六花本人は(定期入れを用意したのは最終話より前ということもあるが)そのような意図はなく、彼女に「どこにでもいけるってこと」と言って定期入れを託す。これは、六花にとってアカネはどこにいても友達だよ、という意味で発したものと思われるが、アカネのセリフからは真っ直ぐに自分に向けられる好意への戸惑いが感じられる。

CWのアカネの部屋はゴミ屋敷状態であり、ヒビの入ったメガネ(PC用のブルーライトカット機能と思われる黄色いグラスが入っている)や脱ぎ捨てたタイツの他にも、作中で投げつけたことで画面が割れてしまったスマートフォンを修理せず使っていたり、弁当を投げつけたり、物を大事にせず、自分を含めた周囲も大事にしていない人格的な歪みがさまざまな場面で表現されている。また、スマートフォンや弁当を投げつけた相手である「アンチ」は、もともとアカネがグリッドマンに対抗すべく生み出した怪獣で、いわば子供とも呼べる存在であるが、彼については特に辛辣に当たっている。

その一方でショーケースにはさまざまな怪獣(歴代のウルトラ怪獣円谷プロ製作の特撮に登場するキャラクター)のフィギュアを整列させ、机の上はフィギュア制作作業のためか片付いており、日常生活でも不潔な様子はない。部屋の様子や他人への態度との差も彼女の歪みを感じさせる。

f:id:perokon:20190501175915j:imageCWでのアカネの部屋の様子

f:id:perokon:20190501180034j:image六花の部屋の様子

f:id:perokon:20190501180047j:image最終話でのアカネらしき人物の部屋の様子

アカネは「親はいない」とも発言しており、先述のアンチへの振る舞いを含めて、家族との関係がうまく構築できない状況で育ち、家族以外の他人とのコミュニケーションにも支障が出ている「コミュ障」的な人物像であるといえる。そう言った意味で、綾波系の特徴である「周囲からの孤立」という部分がわかりやすく示されている。

 

4-3.アカネとりあむの比較

この場であえて明言してしまうと、夢見りあむは今までの「綾波系」の系譜に連なる存在とは言えない。7周年記念追加アイドルの中でいくと、「白雪千夜」こそ綾波系の典型である。しかし、綾波系の特徴でもある「新たな人物との交流を通じて、心理的な障壁を乗り越える」部分については、りあむも該当すると考えられる。

アカネとりあむは2018〜2019年と近い時期に登場し、外見に類似が見られ、性格面でも重なる部分が存在するキャラクター同士であるが、アカネが「ネオ」綾波系であり、りあむがそれに該当するか、比較を通して検証する。

4-3-1.白雪千夜こそ綾波系である

白雪千夜は7周年記念追加アイドルの1人として発表され、「黒埼ちとせ」とのコンビという形で初登場し、いきなりCV付、楽曲発表(かつ、イベント開催)の上に、登場から1ヶ月程度でSSR追加と、破格の扱いを受けた存在であった。これは、今までデレステが初登場となるアイドルが存在しなかったこと、兄弟姉妹ではないのに登場時点でコンビ(ユニット)状態にあるアイドルが存在しなかったことを含めても前例のないことであり、ファンからはその存在や登場の仕方について賛否両論あった。

f:id:perokon:20190511150343j:image白雪千夜

千夜はアイドルとして事務所に所属するまでの経緯も、他のアイドルとは異なるパターンとなっている。

(前略)

???「お嬢様よりここへ行けと言われました。だから来た。それだけです。」
P「君は?」
千夜「白雪千夜です。」

オーディション候補のなかに名前はないようだ……

(中略)

千夜「その前に。ここで私が何を求められているか……説明してもらいたい。」

ここがアイドル事務所であること、オーディションをしていることを説明した……

千夜「それだけの説明で十分だと?もっと詳細な補足を希望しますが。」

(中略)

千夜「分かっています。私そのものが求められてないことくらい。今後についての詳細は……別途、連絡してください。では。」

千夜は去って行ってしまった……

合格させてしまった……?(白雪千夜とのメモリアル1より)

彼女は雇い主であり親友でもあるちとせ(=お嬢様)の気まぐれでアイドルオーデションに飛び入り参加させられ、やや強引な形でアイドルとして事務所に所属することとなる。周囲からの勧めなどもあるが、自分の意思でオーデションを受験するアイドルが大多数に対し、彼女はアイドルにもオーデションにも関心を持たず、自分の意思とは無関係に受験し、プロデューサーに合格させている。

また、その他の言動も自分の希望や意思ではなくちとせのそれを尊重し、彼女の思うがままに、という理念のもと行動していることがうかがえる。これもほとんどの場合アイドルになってから、知り合った同士のアイドル達の交流や行動理念とは大きく異なる点である。

千夜は初登場となったイベント「Fascinate」のコミュで、12歳の時におそらく火事が原因で家族と住む場所を失い、おじさま(ちとせの父か祖父であると推測できる)が後見人となる形で黒埼家に引き取られ、使用人として雇われていることを語っている。また、現在はちとせと2人で生活しており、ちとせのことを雇い主であると同時に家族、親友として大切に思っていることがさまざまな発言からわかる。

f:id:perokon:20190514093927p:imageアイドル劇場より

ショートヘアに色白で細身の体型、寡黙で他人に興味を示さない性格的傾向や表情に乏しい部分はは先述の綾波系の典型に近い。また、ちとせ以外には関心のない態度を見せる一方で、プロデューサーや他のアイドル、クラスメイトとは普通に会話ができており、周囲に歩み寄りこそしないものの浮いた様子は見られない。

白雪千夜はいわゆる綾波系であるが、同時にこれまでの綾波系とはやや異なる立ち位置にあるアイドルであるといえる。

4-3-2.千早から見る綾波系の変化

例えば、他にアイドルマスターシリーズにおいて綾波系に近い傾向を持つアイドルというと、まず如月千早が挙げられる。容姿や表情が綾波系に近い特徴を持つ他、その精神性も近い傾向を持っている。

千早はストイックに「歌」と向き合う中で周囲から孤立し、本人も歌以外には関心を示さず、過去のトラウマもあって心を閉ざしていたが、プロデューサーや他のアイドルとの交流、ファンの存在によって少しずつ心を開き、自分らしい表現を高めていくというストーリーが多くのメディアミックスで描写されている。

表情や言動も初期のメディアミックスは「まあ、なんでも、いいですけれど」に代表されるように硬く冷たい印象があったが、テレビアニメ以降は特に明るい笑顔やリラックスした表情を見せるようになった。この変化についても綾波系らしい傾向であると言える。

f:id:perokon:20190511160247j:imageTHE IDOLM@STER MASTERPIECE 02 9:02pm~三浦あずさ如月千早菊地真~(中央) 2005年発売のCDジャケット

f:id:perokon:20190511160442j:imageTHE IDOLM@STER MASTER SPECIAL 03 2009年発売のCDジャケット

f:id:perokon:20190511160833j:imageTHE IDOLM@STER MASTER MASTER ARTIST 3 07 如月千早 2015年発売のCDジャケット

 

しかし、他人との交流という部分については作品内の描写に依存し、多くの綾波系とされるキャラクターの中には日常的に周囲とうまくコミュニケーションを取れている人物もいる。

はてなキーワード綾波系という記事においては「無口でクール、ショートヘアのヒロイン」という文脈で綾波系として「進撃の巨人」に登場する「ミカサ」が紹介されているが、ミカサは少なくとも従来の綾波系とは異なる存在であると言える。なぜならば、ミカサは初登場から主人公のエレンや幼馴染のアルミンをはじめ、多くの同僚達と普通に会話し、コミュニケーションがうまくいっている印象を受けるからだ。千早もおそらく現在の(OFAやミリオンライブ以降の)描写だと、綾波系とは異なる存在となるだろう。

これは綾波レイ本人が様々なメディアミックスを経ても「無口で無表情」「他人とあまり関わりを持たない」「儚く繊細な容姿」といった部分が大きく変化せず20年以上イメージを貫いていることに比べ、綾波系は必ずしも初期の印象のまま長期的に展開されているばかりではないということがわかる。

 

4-4.ネオ綾波系としてのアカネとりあむ

先述の新条アカネについては、綾波系に近い特性を持ちながら従来の綾波系とは一見すると異なるキャラクター性を持っていると考えた。しかし、何をもって「綾波系の新しい形=ネオ綾波系」と称するべきか、アカネの他にもネオ綾波系に所属しそうなキャラクターについて紹介するとともに、りあむはこのネオ綾波系に所属するか考察する。

4-4-1.ネオ綾波系の定義

まず、新条アカネは

  1. 容姿の綾波系との類似
  2. ストーリー上の立ち位置が綾波綾波系と類似

という、綾波系の典型ではないにしろ、その派生タイプだといえる特徴を持つ。

しかしアカネは

  1. 比較的豊かな表情
  2. 周囲との一見問題ないコミュニケーション
  3. 暴力的ともいえる立ち振る舞い 

といった、無口で無表情、感情的でない行動がほとんどであった綾波系とは、また異なる特徴を持っている。しかし、「アカネ系」といえるほど彼女の後を追うようなキャラクターはまだ登場しておらず、ここではひとまずアカネを「ネオ綾波系」とし、上記の特徴でもってネオ綾波系を定義する。

ネオ綾波系はアカネをはじめとして必ずしも表面的な印象が綾波的である(=無口・無表情で周りの人間に興味がない状態)であるとは限らない。例えば、アカネの誰に話しかけられても明るく対応できる、自分から相手に話しかけることができるといった会話のキャッチボールが適当にできる時点で、綾波系とされるキャラクターとは一線を画す存在である。

しかし、ネオ綾波系は綾波系の抱えるコミュニケーションに関する問題(=内心孤独を感じている)を持ちながら、コミュニケーションそのものには関心があるような様子がある(=周りの人間には興味がある)キャラクターであるという可能性がある。

また、綾波系は物語世界の構造として「母親役」に近い属性を持つという部分が共通してある。綾波本人は一見儚く庇護を受けるような存在であると同時に、ストーリーにおいてシンジの、ひいては人類や世界そのものの母親としての役目を果たす存在となっている。これはアカネも同様に世界を「生み出した」存在=母親であり、さながら彼女に能力を授け影で操っていた「アレクシス・ケリヴ」は、父親役を担っているように見える。

先述の千夜も、ちとせの従者であるという立場を崩さず、彼女を陰日向なく支えるよきパートナーとなっている。その一方でアイドルとしてはプロデューサーに支えられ、共にちとせや千夜本人の持つ世界観をパフォーマンスを通して作り上げていくというストーリーが構築されており、(ネオ)綾波系の持つ「母性」や「包容力」を強く持つアイドルであるといえる。

ここでネオ綾波系の外見を除く部分を再定義すると

  1. 周囲とのコミュニケーションに関心がないわけではない
  2. 場合によっては表情豊かで感情的に振舞っているように見える
  3. 孤独を感じている。あるいは周囲から孤立している
  4. 物語世界や特定の相手に対する母親役、女房役的な役割を持つ

となる。

3.4についてはこれまでの綾波系も持つ特徴であるが、無口で無表情を物語開始から終了まで貫くこれまでの綾波系に対し、ネオ綾波系は表面的な感情の取り繕いが違いとなっている。

これまでの綾波系は自覚の有無にかかわらず「内に秘めた情熱がある」キャラクターも多数いたが、あくまで表面上は無口で無表情であり、感情を表に出すことはそれほどなかった。

ネオ綾波系は反対に表面上は「感情を周囲にわかるように出し、コントロールできているように見える」キャラクターとなる。たとえば、SSSS/GRIDMANの登場人物でいくと、グリッドマン本人が「冷静沈着な立ち振る舞い」「主人公たちを支え導き、共闘する存在」のキャラクターとして存在しているが、これはどちらかといえば(白を基調とした姿もあり)綾波系に近い特徴であるといえる。しかし、ネオ綾波系はその傾向が入れ替わる。ヒロインでありながらトリックスターとしての役割を果たしている存在こそネオ綾波系である。

ネオ綾波系は綾波系がそうであったように、今後も様々な形で二次元ヒロイン達を牽引しうる存在であると希望を持って推測する。

4-4-2.ネオ綾波系かもしれないりあむ

ここまで述べてきた通り、りあむは(ネオ)綾波系かという疑問に対し、結論づける必要がある。

まずりあむは外見としては綾波系、ネオ綾波系である新条アカネとの類似がある。淡い髪色に白い肌、赤い目に白っぽい服装などは、従来の綾波系に近い傾向を示し、体型などはやや綾波系らしからぬ存在であるが、アカネとは近しい。

次に性格についてであるが、りあむは非常に表情豊かで言動もハイテンションである。その一方で強い孤独を感じていることを漏らしたり、精神的に不安定な様子も見られる。これはネオ綾波系として定義した性格傾向に通じるものがある。

最後にストーリー上の立ち位置についてであるが、アイドルマスターシリーズそのものがプレイヤー=プロデューサーとアイドルの二人三脚の物語であり、同時に複数のアイドル達の成長を描く群像劇である以上、プロデューサーによるアイドルへの精神的な踏み込みは避けられない。この場合「りあむが担当アイドルのプロデューサー」の物語であれば、プロデューサーのビジネスパートナーであり、娘や妹に近い存在であり、ともに世界観を構築していくりあむは女房役であるともいえる。

以上からりあむは、本稿で定義するところのネオ綾波系に該当する、またはその可能性が高いと結論する。

 

5.これからの夢見りあむの発展と総括

本稿では4つの章に渡って「夢見りあむ」というアイドルがどのように特殊で、応援したくなるような存在かについて述べ、新時代を築くニューヒロイン足りうる存在か検証した。結論としては、りあむは「ザコメンタル」という自分からのレッテル貼りで過小評価されるような存在ではなく、ネオ綾波系として新たな形のヒロイン像を形成できるようなアイドルであることがわかった。

アイドルマスターシリーズに登場するアイドル達は全て個性的であり、全員が応援したくなるような魅力を持つ存在である。しかし、登場や紹介の仕方、表面的な印象だけで過剰に批判的な意見に晒されているアイドル達がいるのも事実である。本稿はりあむを筆頭に正当な評価を得るに至っていないアイドルに注目してもらうきっかけとなれば良いと考え執筆した。

夢見りあむは今後ますます活躍が期待できるアイドルの1人である。アイドルマスターシリーズはキャラクターのイラストに限らず、声優による演技や歌唱、現実世界でのライブやグッズ展開、プロデューサー同士の交流など、文字通りアイドルが実在するコンテンツとして成立している。りあむも単なるゲームの一キャラクターに留まらない、世界に羽ばたくアイドルとして、そして時代を切り開くニューヒロインの一人として、その発展に期待したい。

 

6.参考サイト

(文中で紹介したもの、リンクが貼ってあるものについては除外しました。)

いずれも2019年5月14日10:00閲覧のリンク、情報です。

アイドルマスターシンデレラガールズwiki アイドルマスターシンデレラガールズwiki

アイマス デレステ攻略まとめwiki アイマス デレステ攻略まとめwiki【アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ】 - Gamerch

・ツルゴアXXX(セリフ等参照) トップページ - ツルゴアXXX

アイドルマスターシンデレラガールズ アイドルマスターシンデレラガールズ | バンダイナムコエンターテインメント公式サイト

アイドルマスターシンデレラガールズスターライトステージ アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ(デレステ) | バンダイナムコエンターテインメント公式サイト

 

おわり