牛後ちょっと前

考え事をしています。ときどき読書メモ

就活しないで生きていく方法と面白かった本の話

就職が決まってない。

お久しぶりです。卒研と就活でしんでました。

くそやばいですね。学位はぎりぎりもらえそうなのですが、結構本気で危ないと思っています。

ゼミ担に「この学年で就職決まってないのお前ともう一人だけだぞ」と脅され、本気でパーンとなってしまい、恐怖のあまりこの1ヶ月ちかくゼミに顔を出していません。

いうて学年30人以下なのに…2/30なんてそんな、割合で言ったら6.7パーセントですよ、ねえ…

計算しないほうがよかった。

友人が次々研修だ引っ越しだとわいわいしており、ウゲーとなっているのですが、一応就活担当の先生がゼミ担から変わったのでちょっと気が楽です。ちょっとです、ちょっと。

結局就職しないといけないことに変わりないと考えております。日本人が日本人として生きていくためには労働して税を納めて家庭を築いていかないといけない(というよりそれが一番めんどくさいことを考えなくても恩恵を受けられる効果的な手段)ので、自分の意志とか関係なくとりあえず何か仕事をしないといけないし、引きこもりとか不登校はちょっと飽きたので、働きたい意欲自体はあるんだと思って就活をやり直しています。

いや、この時期になると次の学年の就活に切り替わってきているのでハアーという感じなのですが。

就活に最初から負けてる

ここでもう一回心情を整理すると「働きたいけど就活がつらい」です。

いや、働きたいなら就活しろよ、といわれるのはわかっているのですが、就職活動のプロセスっていうか「就活必勝法」がつらいのです。履歴書も面接もつらく、履歴書もエントリーシートも死ぬほど項目が多いし、なんだよ得意な教科って得意な教科があったら大学行ってねーよと卑屈になってしまいます。私の場合、SPIは非言語がどうしようもなく苦手で、一般常識は理数がだめで、適性検査は「合理的で協調性がなくネガティブ」みたいな結果だし、面接は人と話すのが基本的にだめです。

就活必勝法みたいなのが載ってある本は、「自信をもってハキハキとした受け答え」「具体的なエピソードを添えて奥行きある人間性を」みたいな人格が素晴らしく発達していて周囲含め自信に満ち溢れ楽しい学生生活および家庭環境で過ごしてきた人しか想定していないというか、根本的に自信がない人のことは「がんばれ」「数こなせ」くらいで終わっていて、悶々としてしまいます。必勝法に負けてるという。

折れたメンタルは立て直せるか

先述のゼミ担しかり、必勝法しかり、敗北の記憶が色濃いのですが、人間の体験の記憶は「うまくいったこと」より「うまくいかなかったこと」ことのほうをよく覚えているそうです。(ごめんなさいソースが謎です)

私は認知療法とかは講義でさらっと習っただけなので何とも言えないのですが、「どうやってもうまくいかない」ので「なにもしないほうがマシ」になってしまうとやばいというのは20年弱の人生で学んできていて、少なくとも就活まではある程度「うまくいかなくても理由を考えて直せばいける」的思考ができていたと思います。

でも就活が始まった途端できなくなってしまいました。

ちょうど就活の一番バタバタしてるときにサークルがやばかったり卒研がやばかったりしていて、「自分がいないほうがうまくいくのでは」と考える時期に入ってしまい、そこから全然抜け出せる気配がありませんでした。

でした、なので今は少し明るい兆しが見えてきたのですが、どうやって抜け出せるかも、になったかというと「とりあえず好きなことをして、うまくいったことを周囲に認めてもらう」という体験を繰り返しました。好きなことをして認めてもらうのが一番利いた感じがあったのですが、ストレスを発散してからめんどくさいことに取り組んで、その成果をきちんと報告して認めてもらう、というプロセスが自分には合っているような感じでした。

自己承認欲求を満たすのですね。

自信を失っているので「自分すごい、ここで働いたらもっとすごいことできる気がする、だから雇って」という考えかたに到達できなくなっています。ですので「自分じゃない人に褒めてもらって自分のすごさを客観的に見よう」というやり方です。

これをやりまくると勘違いしちゃったじゃないの人になってしまうのですが、自信が回復してきたあたりでやめると今日の私のようにブログを書く余裕が出てきたり、履歴書の添削をしてもらったり、ごきげんなことができるようになります。

つらい就活をしないで生きていくのはできる

人間向き不向きあるので、私のように既存の就活必勝法が合わない人はたくさんいると思うし、周囲に信頼して相談できる人がいない人もたくさんいると思います。(後者は少なくあってほしい)ですが、出来る人は自信が折れそうになったら自分でないところに褒めてもらったほうが元気が出るから、こいつ空気だけでなんとなくお世辞言ってるんだろうな、と思わず信頼できる人に助けてもらったほうがいいです。もしその途中で「これは信用ならない」と思ったら逃げるのがいいです。事象から逃げるのは大変だけど人から逃げるのはそれよりかは簡単だと思うので…

就活担当の先生からいただいた言葉でとりあえずこの話題を終わりたいと思います。

「つらい就活してるとつらい気持ちで働くことになるので、明るく楽しく就活しましょう」

 

最近読んだ本

 

今回から試験的にアフィです。

「あずかりやさん」大山淳子

 

これは本屋さんで買ったのですがブックカバーがすごいかわいいのです。Amazonだとないようですが、本屋さんによってはレトロなちょっと透ける茶色の薄い包装紙みたいなブックカバーがつけられていて、それが内容とマッチしていていいんです。画像出てきたら追記しますね。

舞台は商店街の一角に建つ「あずかりや」で、そこに預けられる色々なものと預ける人を取り巻く短編集です。以前紹介した「ぱりぱり」に雰囲気が近いかな。こちらも「あずかりや」の店主が主人公なのに語り手にならないつくりのお話です。

さらっとした文体でとても読みやすかった。意外とシビアでシニカルな視点、展開もあって、ブックカバーのふんわりした雰囲気から読むとちょっと印象が違うかもしれないです。

 「明日町こんぺいとう商店街」

 

この本で最初に「あずかりやさん」を知ったのです。本屋さんでたまたま見かけて内容も確認せず買ったら「あ!これあの本に載ってたやつか!」となりました。

7人の作家が商店街に建つ店を題材に書いた短編集です。人によって結構文体や雰囲気が違う感じなのですが、かわいらしいカバーイラストのわりに対象年齢は高い感じです。最初高学年向けの児童文学のアンソロジーみたいなやつかと思ってました。

この中だとチンドン屋さんの話が一番好きです。

「箪笥のなか」長野まゆみ

 

長野まゆみの文章って文学少女の心を満たすきれいな色気があるなあといつも思います。最近の(という表現があっているのかはわからない)文章になっているので、初期の耽美で純文学的な雰囲気より少し一般向けというか、読みやすい印象です。

親戚からもらい受けた箪笥と、箪笥の持ち主となった姉、不思議なものを呼び寄せてしまう弟にまつわる連作となっています。

この「なんだかよくわからないものを引き寄せる体質」の青年というのが長野まゆみ作品だとたびたび出てきて、そうなると大概主人公なのですが、今回の主人公は姉のほうでした。このお姉さんもさすがにしっかり者かつ好奇心旺盛で、読者の気持ちにぴったり寄り添うような人柄でした。

BLが大丈夫なひとなら「左近の桜」とその続編の「咲くや、この花」も結構近い雰囲気なのでお勧めです。

いま「よろづ春夏冬中」も購入してそろそろ読むか…という感じなのですが、これもちょっと不思議な現代ものらしいので楽しみです。

色々読んでるのですが、今回は就活の話が長引いたのでこんなところで終わりたいと思います。